週刊「エネルギーと環境」 エネルギージャーナル社

今週の注目記事


Weekly Short Report


アフリカ会議でエネ転換・資源開発、廃棄物基金設立

(国際協力)

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 横浜市で8月20日から開かれていた第9回アフリカ開発会議(TICAD9)が22日、「横浜宣言」を採択して閉幕した。宣言では「平和と安定」「経済」「社会」を3本柱に、我が国がエネルギー移行や資源開発への投資拡大、社会課題解決と収益を両立させる民間資金動員の促進、人材育成等の支援強化の方針を示した。
 3年ぶりとなった会議では特にAI・DX・GXなどによる社会課題解決に向けた活用の促進や鉱物資源サプライチェーン強靱化を目指した産業協力強化、「アフリカ大陸自由貿易圏」「インド洋・アフリカ経済圏イニシアティブ」の形成等によるアフリカ域内外の連結性など「経済」分野での連携強化を図った。
 エネルギー分野では、LNGおよび資源開発への取り組みを加速化させる。特に経済産業省はエネルギー移行や再エネ・省エネ・脱炭素なども対象に含め政府間・政府関連機関間・企業などで過去最高となる324件の署名文書を締結した。これによりアフリカでのビジネス展開を一層加速化していく方針だ。
 環境分野では気候変動を要因とした災害対策の強化や自然生態系の保護等への対策強化を図る。特に今回、新たに10億円規模の「アフリカ向け廃棄物管理のための事業形成ファンド」を設立。廃棄物管理インフラの開発促進に向けた取り組みを強化する。








環境省、アフリカ開発銀行と環境協力覚書締結

(国際協力)

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 環境省は20日、アフリカ各国に金融支援を行っているアフリカ開発銀行(AfDB)と環境保全や汚染防止、自然保護等の分野における両者の協力関係を構築する覚書を締結した。横浜市で開催の第9回アフリカ開発会議の機会を捉え、土居健太郎環境省地球環境審議官と、AfDBの電力・エネルギー・気候・グリーン成長担当のケビン・カリウキアフリカ開発銀行副総裁との間で結ばれたもの。具体的な協力分野として、二国間クレジット制度を含めた気候変動対策取組、適応・ロス&ダメージ分野、廃棄物管理による公衆衛生の改善について、今後連携を深めていく方針を確認した。









北海道電、環境債使途対象に原発と送配電追加

(電力・ガス)

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 北海道電力は8月20日、同社発行の環境債・移行債の指針「北海道電力グリーン/トランジション・ファイナンス・フレームワーク」を改訂したと発表した。改訂により、環境債で調達した資金用途に原子力発電と送配電事業が加えられた。
 同社は経営ビジョンで35年度までに目指す目標として、グループ全体のCO2等排出量(スコープ1+2+3)について、2013年度比で30年度に46%減、 35年度60%減を掲げている。再エネ導入目標は30年度まで100万kW以上、35年度まで300万kW以上。さらに脱炭素実現に向けて、原子力発電を最大限活用すると明記。泊原発の全基再稼働後は、グループの発電電力量に占める非化石電源の比率が13年度の10%台から80〜90%程度に上昇すると見込む。そこで同社は環境債の使途に原発を加えて、調達した資金を再稼働に必要な安全対策投資などに回す。
 改訂指針は、第三者評価機関であるDNVビジネス・アシュアランス・ジャパンより各種基準に合致していることの確認と適格性の評価を得た。









大阪ガス、蓄電池運用30年度に100万kW目指す

(電力・ガス)

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 大阪ガスは20日、蓄電池事業について系統用と再生可能エネルギー併設型を合わせて2030年度までに運用規模100万kWを目指すと発表した。自社開発と他社からの運用受託分を含む。20日に同社初となる1.1万kWの千里蓄電所(大阪府吹田市)の商業運転を開始した(表紙に写真)。
 千里蓄電所は大ガスネットワーク所有の千里供給所内にある。経済産業省の22年度補正予算に計上された分散型エネルギーリソース導入支援事業費補助金(系統用蓄電システム・水電解装置導入支援事業)の採択により約8億円の補助金を受けた。
 同社は武雄蓄電所(佐賀県武雄市)、上長都蓄電所(北海道千歳市)の開発にも着手しており、すでに20万kW程度の導入を決めている。26年度までに30万kWまで上積みしていくという。









関電と川重、水素混焼発電の環境価値管理で実証

(電力・ガス)

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 関西電力と川崎重工業、BIPROGYの3社は22日、関電姫路第二発電所の水素混焼発電設備で、水素製造から電力供給までの過程におけるCO2排出量を算定のうえ、水素をトラッキング(追跡・記録)し環境価値を管理する実証を開始した。
 実証では、姫路第二で製造した低炭素水素に加え、福井県の原発由来低炭素水素や山梨県の再エネ由来グリーン水素を対象に、30分単位でCO2排出量の算定と水素のトラッキングを実施し、水素混焼電力が低炭素水素やグリーン水素由来であることの識別が可能かどうかを検証する。これにより、水素製造のエネルギー源や製造時間・場所といった由来を明らかにした電気を顧客に届けることを目指す。またトラッキング方式についても、第三者認証機関であるDNVの支援のもとで国際規格に則った方法であることを検証していく。
 3社は、これら実証によって水素発電における環境価値管理モデルを構築し、低炭素水素の価値向上と利用拡大に向けた取り組みを推進する。










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