5月のゴールデンウイークにかけ、全国大で再生可能エネルギーに対する出力制御事態が多発する。2025年度見通しでは、ついに東京電力パワーグリッド(東電PG)供給エリアでも実施される見通しだ。これによって、国内大手電力会社の全エリアで再エネ出力制御が実施されることになる。一方で、経済産業省は再エネ出力制御を減らす方策として、系統用蓄電池の早期系統連系に向けた暫定的な追加措置を4月1日から始めた。
■東電エリア、PVと風力計連系量2087万kW
東電PGは過去のPV、風力の発電実績や連系線活用量等から25年度の電力需給を試算した結果、年間で約300万kWhの再エネ電力量を出力制御すると想定(表)。今年5月の大型連休と秋の揚水発電定検期間に発生する見通しという。
東電PGエリアにおけるPVと風力発電所の系統連系量は年100万kWペースで増えており、24年9月末時点でのPVと風力の連系量は2087万kWに至る。ここ3ヵ年の平均導入量伸び率は7%となっている。同社は再エネ電力を最大限受け入れるため、非調整電源を保有する発電事業者と協議を行ってきた。調整電源でのさらなる最低出力引き下げも交渉しているが、需要端境期の春と秋はエリア全体の供給量が需要量を上回るので再エネ電力の出力制御を予定する。
出力制御見通しの電力量約300万kWhはPVと風力の25年度年間総発電量見通しの0.009%となる。東電PGはエリア内の再エネ発電量や需要の予測精度向上、再エネ発電所のオンライン化、系統の高度運用などに対応して無駄となる電力量を最小限に抑える。それでも25年5月3日は揚水や蓄電池を活用しても、需要が2477万kWにとどまり、再エネ発電所の出力を9万kW分抑える必要があるという。
(以下については本誌2820をご参照ください)
|