電力広域的運営推進機関は5月13日、2025年度(第3回公募)の長期脱炭素電源オークション(入札)の約定結果を発表した。大手電力が原子力発電所やLNG専焼火力などを落札した。一方で、系統用蓄電池は初回、第2回と同様に募集上限を大幅に上回る応札量となった。
■20年間固定費を保証だが、収益の9割を還付
化石燃料に頼る火力発電所が経年劣化の進行で次々と退出しているにも拘わらず、脱炭素化推進との兼ね合いから新規の火力建設が滞っており、中長期的な電力安定供給確保への懸念が高まっている。一方で、長期脱炭素電源入札は、脱炭素電源への新規投資を促進させる入札制度で、あらゆる脱炭素電源を対象に入札を実施して、落札電源には発電所の稼働で生じる固定費水準の収入が原則20年間得られる仕組みだ。
水素やアンモニア火力などの大型発電所建設にかかる巨額の初期投資を、長期的に一定の収入を保証することで、発電事業者の投資判断を容易にさせる。ただ、運転開始後に卸電力市場や非化石市場などから得られた収益の約9割を還付することが条件となる。
■総募集量500万kWに対し426.1万kW落札
第3回の約定結果は、総募集量500万kWに対して約610万kW分の電源が応札、結果426.1万kWの脱炭素電源が落札した(右図)。前回は同じ総募集量500万kWに対して2.4倍の約1200万kW分の電源が応札しており、今回応札量が大幅に減少した。約定総額は年間4748億、他市場収益の推定還付額控除後の約定総額は、過去3年平均で年間3420億円になった。
原子力についてはJパワーの新設138.1万kW大間(青森県大間町)、既設分の安全対策投資では北海道電力の55.8万kW泊1号機(北海道泊村)が落札した。Jパワーは同日、「長期脱炭素電源入札制度を通じて、長期経営計画で掲げるカーボンニュートラルの実現に向け、脱炭素電源である原子力発電を長期にわたり活用する。引き続き安全確保を最優先に、大間原子力発電所計画に取り組んでいく」との声明を出した。
Jパワーが建設中の大間原発は、世界初の全量MOX燃料使用の商業炉として計画されている。現在も新規制基準の適合性審査が進められており、30年度の運転開始は極めて厳しい見通しで、新たな工事工程の策定が進められている。
(以下については本誌2873をご参照ください)
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