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工夫こらし電力自給目指す、会津の挑戦
2014/12/17(Wed) 文:(滝)
たわわに実った柿の実が雪をかぶっている。1月後半になると山沿いで2m、町中でも50〜60cm は積もるという。市民ファンドで出資を募った会津電力鰍フ現地見学会に参加、12月上旬の福島県・会津を訪れた。
10月末に完成したばかりの雄国ソーラーパーク(喜多方市)は、会津盆地を見下ろす丘に3740枚のパネルがうねる。出力1000kW、会津初のメガソーラーで一般家庭約300世帯分の電力を生み出している。木造の体験型学習施設も併設され、再生可能エネルギーについての説明などが掲示されている。
特徴的なのがパネルの高さと傾き。真冬でも雪に埋まらないよう、全てのパネルが高さ2.5mのパイプの上に設置されている。また、太陽光を直角に受けるほど発電効率は高いため通常は5〜6度だが、ここでは30度で設置されている。「夜に雪が降って朝太陽が出るケースでは、30度傾斜だと11時ごろに雪が滑り落ちる。35度にすると10時に早まるが、春から秋にかけての効率を考えると冬季の1時間は仕方がない」と若い社員が説明、「実際にパネルを設置して1年半かけて試験した。雪国でも十分PVができることが証明できた」と顔を輝かせる。さらに、雪が滑り落ちやすいようにパネルの溝をシリコン樹脂で埋めた。土台も費用がかかるコンクリートではなく、パイプを地中深く打ち込むことで十分な強度になることを確認したという。
社員14 人の会津電力が立ちあがったのは昨年8月。その中心になったのは、喜多方市にある「大和川酒造」の佐藤彌右衛門社長(63)。江戸時代の寛政2(1790)年創業という造り酒屋の9代目だ。「水と食料さえあれば大丈夫と安心していたが、3.11の原発事故では会津も放射能でダメになるかと思った。それまで原発を止めてこなかった責任は私たちにもある」「エネルギーを電力会社任せではなく、自分たちに取り戻すことが大切。まずは入りやすいPVから始めたが、これからは風力や小水力にも取り組む」と熱く語った。
会津は見みしらず不知柿の産地として知られるが、夜の交流会で摘果など世話をする人手がなく放置されたままの柿の木が多くなっていると聞いた。息子や娘は首都圏や仙台に出たまま戻らず、人口は毎年減っているという。白い雪と赤い実、日本の原風景のような美しい風景の裏で進んでいる過疎化に胸が痛んだ。蔵の町・喜多方には10軒の造り酒屋がある。ニ
シンの山椒漬けを肴に地酒をちびちびいただく。酔いが回ってきた頭で、豊かな会津のエネルギー自給と地域の活性化を願った。
総選挙で再生エネ関連票が動く?
2014/12/03(Wed) 文:(水)
消費税10%への引上げ先送りや経済政策の一枚看板としていた「アベノミクス」などに対する国民の信を問うとして衆議院が解散され、今月14日に投開票が行われる。
今回の総選挙では原子力発電の是非が与野党間での一つの争点になっているが、再生可能エネルギーが今後の政策としてどう展開されるかも投票で支持者を決める重要な判断材料になりそうだ。特に、この9月から大手電力会社(北海道、東北、四国、九州、沖縄)による系統接続保留措置が実施され、年内にその再開方針が示される予定であり、中小の事業者にとってはこれが死活問題にもなる。一方で、電力各社への接続申し込みでは多く
の与党議員が紹介や仲介の労をとった経緯もあり、支持者のつなぎ止めの面からも早期の決着が必要という事情もある。
現在の再生エネ設備の認定規模は、累計で約7000万kW超と10年先の暫定的な導入水準を上回る勢いとなっており、それに応じて再生エネ関連の市場も今や大きな経済圏になっている。例えば太陽光発電市場の場合、経産省調べによるとパネルの2013年度出荷量は約900万kW、累積では1800万kW あり、その市場規模は約2.5兆円にものぼるという。これの雇用創出効果は約20万人といわれ、末端の施工工事関係や家族なども含めれば3倍以上
になるかもしれない。今回の選挙で、こうした関連事業に関わる有権者が今後の政府や与野党の対処方針を自らの利害得失と絡めて、重要な判断材料とすることは想像に難くない。
その結果、「再生エネ関連」というまとまった票が動き当落に影響する可能性もある。
総選挙に臨む与野党もそうした重要性を十分意識してか、解散の直前に系統連系の保留問題などへの対処方針を公表、自民党は原子力政策・需給問題等調査会が「できる限り多くの接続可能量を確保し早急に保留解除」などの方針を示した。また、原発対策の一環としていた再生エネの検討機関を独立させ、安倍政権が重視する地方創生とイノベーションの柱にすることも決めた。一方、民主党も直嶋正行・エネルギー総合調査会長らが会見、「即時の接続保留解除と接続保留に関する要件の厳格化」などを求めた。
エネルギー問題での争点は「脱原発」だけではない。資源のないわが国はこの先何十年も再生エネと付き合わざる得ないのは自明であり、すでにここまで成熟してきた産業になってきた今こそ、部分的な系統連系問題を超える思い切った“重要電源”としての方策を示してもらいたいものである。
原発再稼動・・・「地元」とは?
2014/11/19(Wed) 文:(滝)
帰りの電車で酉の市の縁起熊手を持った人を見かけたら、家には喪中ハガキが届いていた。年の瀬までもうすぐ、いつの間にかそんな季節になった。年明けと見られる九州電力川内原発の再稼動に鹿児島県の伊藤祐一郎知事が同意を表明した。薩摩川内市の同意が先月28日、宮沢洋一経産相が鹿児島県を訪れて協力要請したのが3日、九電社長が周辺8市町を回って地ならしを終えたのは4日、そして県議会とそれを受けての知事同意が7日。9月10日の審査書決定から2ヵ月足らず、レールに乗って突っ走ったかのようなスピード合意だった。法律で定められていない地元合意の範囲について、伊藤知事は「原発が立地する薩摩川内市と県だけ」と早くから主張、知事が臨時県議会の早期開催を強く働きかけたという。まるで地元合意のモデルケースにしたいかのようだ。
しかし、原発の最大の問題点は重大事故が起きた場合に影響が広範囲に及ぶことにある。東京電力福島第一原発事故の際には30`圏外の多くの人たちも避難を余儀なくされた。千葉県内にある私の居住市もわずかだが汚染され、いまだに草木は一般ゴミとして出せない。
最新の朝日新聞世論調査では「再稼動同意は立地自治体と県だけ」としたのは14%で、「30`圏内の自治体と県」は72%となった。当然で健全な世論だと思う。
私自身は再稼動そのものに反対ではない。原発の危険性は現実的にはかなり低いだろうし、地元を含めた国全体の経済への影響も考慮しなくてはならない。ただ、原発なしで今年の冬も夏も乗り切ったのは事実。国内の原発16原発48基のうち、運転から40年前後の古いものは廃炉にし、残りの原発も安全で効率の良いものに絞って再稼動に動くべきではないか。その際には少なくとも30`圏内の自治体・住民に説明すべきだ。同意の範囲が広がって再稼動のハードルが高くなっても、時間をかけて説明し納得してもらうしかない。
一方、「30年以内に中間貯蔵施設から福島県外に搬出して処理します」、そんな法律が先日衆院で可決された。30年後に汚染土などを受け入れる自治体があるのか、海に捨てるわけにもいかないだろう。「やはり他は受け入れてくれません。30年前に約束したのですが当時の関係者はいないし…」とか言って、“あめ玉”を差し出すのではないか。本誌前号の「イチオシ施策」に福島県が登場、「震災復旧へ再生エネ先駆けの地を目指す」と意気込みを示してくれた。しかし、いま再生エネには暗雲がかかっている。真に福島の復興を考えるなら、原発再稼動に血道をあげるのではなく、わずか2.2%の再生エネ普及の環境を整備し、福島を始め全国で10 倍、20倍に増やしていくことではないだろうか。
再度問う!リニア中央新幹線建設の愚
2014/11/05(Wed) 文:(水)
「夢の超特急」といわれた品川〜名古屋間のリニア中央新幹線の工事実施計画が太田明宏国土交通相により先月17日に認可された。今回の認可は「その1」として沿線計画区間におけるトンネルや橋梁などの土木構造物を中心としたもので、新設される6つの駅の建設など開業関係設備については、「その2」として、今後JR東海からの申請を待って認可を行うことになる。
しかし、同区間の延長距離約285.6kmを最速40分程度で走るという、世界初の超電導磁気浮上方式による総事業費約5.5兆円におよぶ世紀の大事業が、着工態勢に入ったことはいうまでもない。環境省はこの事業に対して「低炭素・循環・自然共生が統合化された社会に向け、環境保全について十全の措置を行うことが本事業の前提である」とのきびしい大臣意見をつけたが、国交省の認可にはそのことが全く示されていない。同省意見はこのほか、路線の86%が地下40mとなる大深度から危惧される地下水系の切断による水資源や生態系への影響、大量の土砂発生と処分地の確保など30 項目にわたっていたが、JR東海は工事が竣工するまでに対応すればよいとの考えだ。
環境への悪影響だけではない。橋山禮治郎著による「リニア新幹線 巨大プロジェクトの『真実』」によると、事業の高コストと採算性などから歴史上失敗した巨大プロジェクトは国内外で「東京湾横断道路、諫早干拓、超音速機コンコルド、英仏海峡トンネル」などがあり、リニアはこれに匹敵する大赤字となる事業でもあるという。さらに、首都直下型や東南海地震が予想されるなか、大深度地下という未知の空間の安全確保対策に十分な保証がないままだ。福島第一原発事故で最大の教訓となった「安全神話信仰」に再び寄りかかっている。東京一極集中を一層加速させることのマイナスもある。
特に問題と思われるのは、リニア新幹線の供用時に膨大な電力を消費することである。3.11以降原発の大半が停止、代替の火力発電の稼働によりCO2を大量排出しながら何とか電力の供給力を確保しているというのに、供用時には最大約27万kWの電力消費になるという。27万kWという規模は、住宅用太陽光発電の設置数に換算すると約7万件に相当し、東北電力が供給エリアとする7県の人々が行う全節電量の想定規模に匹敵する大きさだ。
こうした大量の電気を事業で消費するJR東海には、自ら使う電気についていっそのこと全て再生エネでの電源調達を義務付けてはどうか。早さと便利さを従来エネルギーに求めてきた時代は、3.11以降確実に変わったはずである。
再生エネ普及へ、政府の「本気度」が試される
2014/10/22(Wed) 文:(滝)
夜空に輝いていた満月が左下から欠けはじめ、1時間後にはすっかり地球の影に隠れた。8日に見られた3年ぶりの皆既月食のように、再生可能エネルギーに暗雲が広がっている。
系統接続の中断は九州電力から一気に北海道電力、東北電力、四国電力、沖縄電力へと広がった。「再生エネをもっと導入しなくては。そのためにFITで一定期間決まった価格で買い取ります。どんどんやってください」との国の“お墨付き”を信じた事業者や出資者はショックだったろう。九電や東北電が行った説明会には事業者らが詰めかけ、「土地を
手当てし、銀行の融資も受けたのに」「あまりに突然、もっと早く分かったはず」など怒りと不安の声が渦巻いたという。当然だと思う。
どうしてこうした事態に陥ったかが、なかなか理解できない。日本の再生エネの発電量に占める比率はまだ2.2%(2013年度、水力除く)にしかすぎない。再生エネ先進国のドイツやスペインは2割を超え、ドイツは30年には50%を目指している。こんなに低いレベルで中断に追い込まれてしまうのか。また、水力や地熱では比較的安定した発電が見込まれるが、太陽光発電(PV)の設備利用率は約12%、風力では20%にしか過ぎない。設備容量に比べて実際の発電量は少なく、現実的はまだ余裕があるのではないか。もし、供給量が使用量を上回ることが予想される場合はPVや風力発電の送電を外す出力抑制ルールも使えるはずだ。受口を大きく広げながら工程を広げなかった政策当局の対応の遅れなどが指摘されるが、根本的な原因としては、日本のエネルギーのあるべき方向性を示さない政府の責任ではないか。不安定な再生エネ、安全性が問われる原子力、コストが高くCO2排出量も大きい火力……いずれも一長一短あるこれらをどう組み合わせていこうとするのか、いわゆるエネルギーミックスをはっきりさせるべきだ。
再生エネへの逆風の一方、原発に対する風向きが違ってきた気がする。エネルギー基本計画では原発を「重要なベースロード電源」とする一方で「依存度を可能な限り低減させる」と位置づけている。安倍総理や小渕経産大臣、同省の原子力小委員会での論議を聞いていると、「重要なベースロード電源」としての“復権”を目指す動きが強まっているように感
じられる。再生エネはCO2排出が少ないという環境面のメリットだけでなく、自分たちで電気を生み出せるという市民に身近なエネルギーとしての側面もある。系統の強化に税金を投入することに国民の理解は得られるはずだ。政府は本格的な普及のために本腰を入れて、この問題に取り組んでほしい。
定着節電と原発再稼働と温暖化の進行
2014/10/01(Wed) 文:(水)
今夏の電力需給は供給力全体の約28%もある原子力発電が1 基も稼働しなかったにもかかわらず、トラブルなく終了した。5月頃の政府の見通しでは、供給力のきびしい関西電力や九州電力など西日本エリアへ東日本から周波数変換装置を通して数10万kWの応援融通も想定されていたが、その必要もなかった。最大需要規模(ピーク)と供給予備率の推移をみると、東電管内は最高気温36.1℃を記録した8月5日の需要が4980万kWで予備率8%
強、関電は7月25日に最大電力を示し設備使用率は94%程度だった。
今夏の需要が想定を下回ったのは例年よりも平均気温が低めに推移したのに加え、8月にあった広島市北部の集中豪雨など西日本全体の天候不順、それに「定着節電」の効果があったという。定着節電とは、福島第一原発事故が発生した3.11以降から顕著になった需要減傾向を指し、例えば東電管内は事故前の2010年最大需要規模約6000万kWが今夏は5000万kW弱に、関電管内も3.11前に比べ約400万kWも落ち込むなど、全国的な傾向となって
いる。
ただ、需要想定を行う経済産業省はこの定着節電に対していつまで続くかとまだ懐疑的であり、想定する節電の数字に一定の安全率をかけ固めの見通しとして需要規模をはじき出していたが、今夏もこの節電が立派に持続したことになった。こうした電力需給の結果に、すでに大手紙には「今夏原発ゼロでも余力」「原発再稼働必要なし」との大見出しが躍っていた。しかし、この見方はあまりに短絡的過ぎよう。九州電力・川内原発の再稼働が年明けにも実現することへのアンチテーゼだが、ではわが国の地球温暖化対策をどう強化するのか、電気料金の高騰は、貿易収支の赤字による経済影響は、などへの言及は全くない。
わが国は3.11以降、原発停止による火力発電の稼働拡大により先進国の中でトップクラスのCO2排出急増を続けており、きびしい削減目標の設定が予想される国際的な新たな枠組み交渉への対応も意欲的ではない。次世代にツケを回すのは原発だけではなく、気候変動が原因とされる異常気象や洪水被害、生態系の破壊などがすでに現実化しており、さらに対策を怠れば間違いなく30〜50年先にも不可逆的に顕在化するといわれている。
ならば、わが国は最低限の原発依存とする一方で、徹底的な減エネによる低炭素社会を構築する選択肢にならざるを得ない。政策当局者は原発再稼働に偏重するだけではなく、同時に今夏みられた定着節電をさらに強化・進展させるような知恵のある施策を具体化してもらいたいものである。
デング熱だけではない…深刻化する温暖化影響
2014/09/24(Wed) 文:(滝)
「近いうちに発生しなければいいのですが…」、数年前に取材した国立感染研究所昆虫医科学部長の真剣なまなざしが思い出される。今、ニュースになっているデング熱のことだ。
8日現在で14都道府県で81人の患者が発生した。ご存知の通り人から人へは感染せず、感染した人から吸血した蚊(ヒトスジシマカ)の体内でウイルスが繁殖、別の人の血を吸ったときに感染する。戦争中の1942〜45年、東南アジアから運ばれた蚊が防火水槽などで大発生、約1万7000人が高熱に苦しんだ。その後姿を消し、感染して帰国する海外旅行者が毎年100 人前後いるが、国内感染は69年ぶりだ。媒介するヒトスジシマカは平均気温11℃以上の地域に分布、1950年ごろまでは栃木県が北限とされていたが、平均気温の上昇とともにどんどん北上、いまは青森まで達している。
デング熱は世界でもっとも多い蚊媒介性ウイルス感染症で、アジア、中南米、アフリカの約100カ国・地域で毎年数千万人が感染し、発症している。台湾南部では02年に5000人を越す大流行が発生したが、温暖化によって生息できるようになったネッタイシマカによるものだと分かっている。日本でも温暖化が進めば、大流行を引き起こすネッタイシマカが入ってくる恐れが高い。温暖化による影響は蚊だけではない。オーストラリア原産の
毒グモ・セアカゴケグモは95年に大阪の臨海部で初めて発見されたが、いまは愛知県や群馬県にも分布を広げ、毎年数人が刺されている。東南アジア原産で攻撃性が強いオオミツバチ、幼虫が毒棘を持つ中国南部原産のヒロヘリアオイラガなども国内で見つかっている。農業では、米の白濁が広がっているほかブドウの着色不良、ミカンの浮皮症などの被害が拡大している。海では藻場の消滅や魚種の変化などが各地から報告されている。
この夏、土砂崩れで多くの犠牲者を出した広島市など各地で記録的な集中豪雨が相次いだ。つい最近に台風14号が奄美大島付近で発生したのも、日本近海の海水温が高くなっているためだ。温暖化という、全地球的で大きく複雑な変化に私たちが対応できるまでには多くの困難と時間を強いられるだろう。
温暖化による被害が顕在化する中、今月23日にニューヨークで国連事務総長が呼びかけた気候サミットが開かれる。今年12月にはCOP20がペルーのリマで、そして来年末パリでのCOP21で排出削減の国際的枠組みづくりが期待されている。しかし、途上国は「先進国と同じように豊かになりたい」との主張を変えるだろうか、日本だって来年第1四半期までに削減目標を示せるか微妙な情勢だ。壊滅的な被害が訪れる前に、「人類の叡智」が発揮されることを願うしかないのだろうか。
驚異的拡大ペース、再生エネの本当の実力
2014/09/03(Wed) 文:(水)
固定買取価格制度等に基づく再生可能エネルギーの認定容量がこの4月末時点で、約7100万kWを超えたという。この数字はなんと第4次エネルギー基本計画において想定していた2020 年の導入目標どころか30年目標を凌駕する水準になっている。その大半が太陽光発電で、2013年度の年間出荷量は対前年度比50%増の約900万kWと驚異的なペースによる市場拡大が進む。年度替わりの3〜4月にかけ、買取価格の引き下げ措置や経産省による認定取り消しを意識した駆け込み申請があったとはいえ、まさに太陽光発電バブルの様相だ。
7100万kWという規模はわが国における現在の発電規模の30%強を占めることになり、原発の発電能力約4800万kWをもはるかに上回る。単純に見れば原発不要論に連動しそうだが、そうはならないしこの再生エネ設備の本当の実力を改めて認識する必要がありそうだ。最大の弱点は気象条件に左右され、年間の設備稼働率(つまり電気をつくる能力)がPVで12%程度、風力発電がよくて約20%程度であり、負荷変動が激しく電気の質もあまりよくないことだ。また、需要に追いつかない場合はCO2を排出する火力発電に応援してもらう必要がある。もちろん再生エネの導入拡大はわが国のCO2削減に一定の寄与をするが、原発100万kWを1基稼働させるとわが国CO2排出量全体の0.4%分(10基で4%)
を削減する大きさには遠く及ばない。
その他にもいくつか致命的な問題がある。一つはすでに経産省が制度見直しに着手しているが、設備を認定されたものの事業利益の確保を狙って一定期間を経過しても運転開始しない案件が増えている。こうした案件には認定取り消しなどの処分が出されつつあり、今後も計数百万kW 規模に及ぶ見通しだ。もう一つは、PVと風力発電の新規立地計画が集
中する北海道北部や青森県と秋田県の一部地域に顕在化している既存送電系統への接続困難という問題であり、経産省は風力発電事業について「特定風力集中整備地区」として指定。風力事業者自らが送電線建設費用の過半を負担、国もその一部を特別目的会社(SPC)に補助する制度が動き始めた。しかし、こうした対応は国全体から見て社会インフラの二重投資にならないか、電気事業の中でも難しい地元交渉と言われる用地補償などを本当にこなせるのか疑問が残る。
以上から言えることは、再生エネの本当の実力は認定容量の7100万kW のおそらく1/10以下が至当なところだろう。むしろ大事なことは、その実力を叡智を出し合って国民負担の少ない形で2倍3倍に引き上げる方策を具体化することではなかろうか。
安全って何だろう…ダモクレスの剣の自覚を
2014/08/12(Tue) 文:(滝)
暑い夏が続いているが、なんとか原発稼動ゼロでも乗り越えられそうだ。
先月、九州電力川内原発1、2号の審査書案が原子力規制委員会によって了承された。田中俊一委員長は会見で、「安全だとは言わない、(福島原発事故を受けて厳しくした)新規制基準に適合したということ。稼動するかどうかの判断は事業者と住民、政府で」と強調していた。しかし、世間的には「安全宣言」が行われたと受け止められ、再稼動に向けての手続きが進められている。
福島原発事故前は「安全か」との問いに、電力会社も政府も「絶対安全。事故は起こりえない」と答えていた。いま、自らの安全対策の徹底をなおざりにしたまま規制委に「合格」をせっつく電力会社の姿勢が見られる一方、反対派は規制委定例会合の場でルールに反して「絶対反対」と叫ぶなど、福島事故の検証と教訓を学ぶより、安全についての不毛な“神学論争”が続けられている気がしてならない。
確かに世の中に「絶対安全」はない。飛行機は落ちることがある、車は事故を起こす、食品は腐ったものが混入される。だからといって車に乗らない、食品を食べないことはできない。紛争や殺人などが絶えない社会の中で原発は事故の危険性だけでなく、使用済み燃料や放射性廃棄物の処理も決まらない。ないにこしたことはない。しかし、代替の火発の燃料費が年間3・6兆円も増え、北海道電力は昨年9月に続く大幅値上げを申請した。
「原発ゼロのためには電気料金が高くなっても仕方がない」との国民合意がなされていない中では、新規制基準に適合した原発を再稼動することはやむをえないだろう。だが、2年前の民主党政権時代、関西電力大飯原発を動かしたときには野田首相(当時)が前面に出て再稼動する必要性を国民に説明したが、現政権は政治決断を避けたまま原発再稼動を推進、“原子力村”の人物を規制委に送りこむなどやることが姑息に思えてしまう。
タクシーが「事故は起こしません」、レストランが「100%安全です」というのは許される。「確率的には事故を起こす可能性があります」といわれたら誰も乗らないからだ。しかし、いずれ行われる住民説明会では「最大限努力するけど、絶対安全とはいえない。しかし、稼動しないとより大きな弊害があるため再稼動します」と正直に説明してほしい。そうした緊張感こそが福島の二の舞を避ける最大の要素だと信じている。
顔の見えない事務次官の本当の役割
2014/07/16(Wed) 文:(水)
今年も定例の霞が関人事がいろいろな話題を提供して終わった。この人事で安倍政権は内閣人事局を新設、600人以上にのぼる全府省の審議官級以上を評価して幹部異動を決めたというが、結果的には従来とたいしたかわり映えなく、女性登用が目立った程度だった。関心を呼んだのは、財務省の事務次官に、退任した木下康司氏(昭54年入省)と同期の香川俊介主計局長が昇格、さらに同期には田中一穂前主税局長(主計局長に異動)がおり、この先、3人とも次官になる可能性があるという。
経済産業省の幹部人事は昨年大幅入れ替えの反動もあって立岡恒良事務次官(昭55年)と上田隆之資源エネルギー長官(同)が留任、主要幹部4人という小幅だった。事前には上田長官の次官昇格という説も流れたが、電力システム改革の総仕上げになる時期に、事実上のトップが変わると支障をきたすという判断もあってか流れた。
ただ、財務省の同期3人たらい回し次官の話しではないが、最近は「事務次官は日常的にどんな仕事をしているのか、顔がまったく見えない」とする批判をよく耳にする。ある産業人からは、新聞に出る首相と同じような「次官の1日」が分かったらぜひ教えてほしいと真顔で言われたことがある。次官は政治的な立場を重視する大臣とは異なり、事案の継続性と客観性に留意する必要がある。時には実施した政策に関する責任をとるべきであり、国民に対する説明責任を常に果たす義務がある。それが最近は大臣の顔色ばかりを伺い、本来果たすべき行政トップとしての役割を放棄、年収2000万円以上の高給をはんでいるという指摘だ。
例えば、先日閣議決定した政治的判断による集団的自衛権の行使容認という憲法解釈にしても、一般人からみれば憲法解釈の是非を国民に問うべきというのが筋だが、常に法制度に基づく行政対応を前提にする官僚側からは何の異論も出てこない。また、原発問題もしかりだ。温暖化の原因となるCO2排出急増と電気料金の高騰、さらには国富流出という事態を2年以上招いているのに、経産省は安倍政権へのマイナスを気遣い先頭に立って問題解決に当たろうとしていない。
かつて事務次官は必ず週1回の会見を行い、自らの対応を積極的に説明してきた。それが民主党政権時代に政治主導という言い方のもと、表に出なくなり誰がどういう判断をしたのか皆目見えなくなった。そうした国民にとってマイナスの多い悪習こそ、自民党政権下の事務次官らは自ら改めるべきだと思うのだが…。
「エネルギーのしま」掲げる五島市、バラモンがんばれ!
2014/07/02(Wed) 文:(滝)
長崎港から高速水中翼船ジェットフォイルで約1時間半、浮体式洋上風車の取材で訪れた五島列島・福江島(五島市)は豊かな自然と温かな人情に包まれた島だった。獲れたの魚介類は新鮮で、すぐに五島ファンになった。
島は「エネルギーで活力をつくり エネルギーを生産する エネルギーのしま」を掲げており、福江港では電気自動車のPRパネルが出迎えてくれた。それならばと、レンタカーは電気自動車を選んだ。乗ったのは初めてだったが思ったよりも力があり、坂道もぐんぐん加速する。もちろんエンジン音はせず快適な静かさ。ただ、フル充電された出発時の走行可能距離は150`、営業所員から「残り20%を切ったら充電してください」と充電カードを渡された。島内には十数ヵ所の急速充電器があるとはいえ、充電には30分もかかってしまう。どう時間をつぶそう、喫茶店なんかないよな〜と気がかりだったが、何とか充電せずにすんだ。
人口約4万人の島は5年間で人口が7000人減ったという。案内してくれた市職員は「毎年、350人ぐらいが高校を卒業しても、島に残るのは30人ほど。大半は進学や就職で島を離れる。戻るのは何人もいない…」と顔を曇らす。洋上風車がすぐ沖合いにあって、発電した電力が送られる椛島は、漁業の不振もあって過疎化・高齢化が急激に進んでいた。かつて4000人がいたという島にいまは百数十人が身を寄せ合うように暮らし、立派な校舎と広いグラウンドを持つ椛島小・中学校の在校生は小学生1人だけだった。日本列島には6852の「島」がある。そのうち、北海道、本州、四国、中国、九州、沖縄本島を除いた6847が離島と呼ばれる。このうち、人が住んでいるのは418島だが、どこでも過疎化・高齢化に共通の悩みとなっている。
福江島の名産品に色彩豊かなバラモン凧があり、鬼に立ち向かう勇敢な武士の兜の後姿が描かれている。バラモンとは五島の方言で「元気のいい」という意味だという。島をドライブしていると、町内会が設置した太陽光パネルや陸上の風車に出会った。再生エネルギーに活性化の願いと島の未来を託す五島の人たちとバラモンが重なって思えた。
安全・安心・安価な“純国産エネルギー”普及を目指せ
2014/06/18(Wed) 文:(崎)
地熱発電所と小水力発電所の建設準備を進めている福島市土湯温泉町を訪ねた。土湯温泉は16軒の旅館があったが、2011年3月の震災による建物の倒壊で4軒が休廃業、さらに原発事故による風評被害で、先の見通しが立たないことから3軒が廃業した。このままでは町が立ち行かなくなるとの危機感から11年10月に有志が土湯温泉町復興再生協議会を結成。基本理念に「自然エネルギーが支える、先進の町」を掲げた。
6月1日号で紹介したように、湯遊つちゆ温泉協同組合などの出資により12年に元気アップ土湯を設立、同社が130℃の源泉によりペンタンという低沸点媒体を蒸発させてタービンを回すバイナリーサイクル発電を手がけることになった。15年7月に400kWの発電を始める。東鴉川の砂防堰堤を活用した落差50m、総延長300mの小水力も15年3月に140kWの発電を始める予定だ。
元気アップ土湯の加藤勝一社長は「計画を発表してから海外も含め1500人が視察に訪れた。観光資源としての役割も果たせることが分かった」という。地熱と小水力を合わせても一般家庭600世帯分の電気量だが、地域の人たちが、自分たちの町の復興再生のツールとして再生可能エネルギーを取り上げたことは意義深い。
だが、加藤社長が「地熱は国産機器を使おうとしたが、結局、実績のある米国オーマット社製を採用した」といったことが気になった。温泉はさまざまな成分が混じり合っており、泉質は温泉によって多様なため、熱交換器の目詰まりなどに不安があったようだ。日本では長い間、地熱開発がなかったことが原因かもしれない。
これは地熱だけの問題ではない。固定価格買取制度開始以降、販売が急増する太陽電池も海外メーカーがシェアを高めている。4月に開所した産業技術総合研究所福島再生可能エネルギー研究所は太陽電池のコスト低減のために基板の厚さを半分にする研究を国内メーカーと進めている。
日本の再生可能エネ関連機器のメーカーはこうした産学連携などによる技術開発とものづくり力で、海外勢を圧倒する性能とコストを実現してほしい。日本の機器メーカーが国際競争力を付けることが、安全安心に加えて安価な、真の“純国産エネルギー”の普及を加速するためには欠かせない。
持続させたい「定着節電パワー」
2014/06/04(Wed) 文:(水)
今年もまもなく暑い夏がやってくる。心配なのは大震災前に電力供給の30%程度を占めていた原子力発電が再稼働する見通しになく、稼働ゼロの状態で夏季にピークとなる電力供給危機を乗り切れるかどうかだ。
先月、政府は「2014年度夏季の電力需給対策について」をまとめた。需給の逼迫状況を乗り越えるため、電気ヘルツの異なる東日本から西日本への周波数変換装置を使った東西融通(約60万kW分)が実施されれば、西日本エリアの供給予備率をギリギリ3%確保することができ、節電の数値目標は設定しない方針を示した。実はこのときあまり報道され
なかったが、大震災以来わが国では節電行動が定着してそのトータル量が今夏の需給緩和に大きな役割を果たしている事実だ。
至近3年度の全国電力需要実績をみると、対前年伸び率は震災前の2010年度に5.6%もあったのに対して、震災後となる11年度は△5.1%、12年度は△1.0%、13年度は△0.4%と、景気の上向きなどを反映して少しずつ数字が小さくなっているものの3年連続の減少となった。今回の夏季需給見通しにおいても、節電影響による需要抑制効果を10年度に対
して△1435万kW分見込んでおり、これは100万kW級の原発約14基に相当する大変な数字だ。
しかもこの数字にはしっかりした根拠があり、電力会社がそれぞれ顧客に対してアンケートを実施して節電意向を事前に調査、その結果ではこれまでに何らかの節電対策をとった人・企業の80%以上が引き続き同様の行動をとると回答したという。加えて、節電効果を定量化する際には政策当局が想定規模に一定の安全係数を乗じて固めの見通しを算定、実現の確実性に配慮した。こうして算定した節電の定着率については、需給検証を検討した委員からは安全係数を乗じる必要がないのではないかという意見すらあったようだ。
つまり大震災から3年経ち、一部では節電意識が風化してきたとの見方もあったが、どっこい国民の間にはまだきっちり根付いており、それが「定着節電パワー」といえるほど、原発停止などにより綱渡り状況の電力需給を緩和する大変な戦力になっている。もちろんこうした節電行動には最近の電気料金値上げに対する節約やコスト削減、さらには地球温暖化対策に役立つという意識もあるだろう。最近は高度な機器を使ったエネルギーシステムの採用による省エネ等の実現が主流になっているが、むしろ今の「定着節電」を持続化させ、さらなる節電量が実現するような施策の展開こそ重視されるべきではなかろうか。
気候変動の危機をビジネスチャンスに変えよう
2014/05/15(Thu) 文:(崎)
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の三つの作業部会が4月までに相次いで第5次評価報告書を公表した。これらをまとめた統合報告書は10 月以降に公表される。自然科学的根拠をまとめた第1作業部会報告書が「気候システムの温暖化については疑う余地がない」と断定するなど、2007 年の第4次評価報告書に比べ、地球温暖化が一層進んでいるとの見解を示している。
影響・適応・脆弱性を検討した第2作業部会は「温暖化の進行がより早く大きくなると、適応の限界を超える可能性がある」と指摘した。気候変動の緩和を扱う第3作業部会は「2030年まで緩和の取り組みが遅延すると、産業革命前から気温上昇を2度C未満に抑えるための選択肢の幅が狭まる」とし、「緩和の遅れは中長期的な緩和コストを増大させる」と報告している。
二酸化炭素などの温室効果ガス排出削減による気候変動の緩和には一層、力を入れなければならない。だが、それだけでなく気候変動に対する適応も組み合わせた取組を講じなければならない段階に入っているということだ。第2作業部会報告書は「よりレジリエント(強靭)な社会の実現」が必要としている。
日本の産業界は温室効果ガス排出削減に大変な努力をしている。こうした努力を自主目標達成のために仕方なくやるのではなく、率先垂範することでビジネスに結びつけることが重要なのではないだろうか。温暖化は文字通り地球規模の問題であり、低炭素社会への移行、温暖化に適応するための強靭な社会づくりはどの国にとっても重要な課題であるからだ。
排ガス規制対応で飛躍し、現在も環境対応車で世界をリードしている自動車産業の例をあげるまでもなく、日本の産業界は石油危機や円高など危機をバネに成長を遂げてきた。
現在、原発事故による電力危機が足かせになっているが、この危機も再生可能エネルギーやコジェネレーションなどの分散型電源にITを組み合わせたスマートコミュニティーなどの普及のきっかけにしたい。
地球規模の危機は地球規模のビジネスチャンスなのである。企業には低炭素生産や強靭なインフラづくりに積極的に取り組み、これをビジネスとして世界に広めていくことで人類のリスクを軽減することに力を入れてほしい。
青息吐息の市民共同発電所とPV企業の利益
2014/04/16(Wed) 文:(水)
約10年前から心ある市民の寄付を募って、地域での太陽光発電(PV)事業の橋渡し
業務を小さな組織でこなしてきたNPO法人・太陽光発電所ネットワーク(PV−Net、
都筑 建代表理事ら) が、運営費など資金のやりくりに苦労しているという。再生可能エ
ネルギー普及加速化の政府方針とともに、固定価格買取制度という高・中リターンを保証
した仕組みに恵まれ、再生エネ導入全体の95%以上を占めるPVビジネスと同様に順風
満帆と思いきやそうではなかった。
近年、長野県飯田市のおひさまファンドを筆頭に、北海道や秋田県などの市民グループ
が自然エネルギー建設のための投資資金を公募。予定額を上回って事業着手に漕ぎ着けた
成功例も出ているが、地域での寄付型事業の場合はせいぜい1件あたり500万円程度の資
金確保が限界で、これでは数kW程度の個人用住宅にしか導入できない。その限界を乗り
越えるため、地域の市民グループは疑似私募債の発行などによる元金保証と一定の利回り
を配当する方式など、様々な事業方式の工夫を取り入れつつあるようだ。
そうした事業での技術的対応や事業化の相談に乗り、様々なアドバイスや支援を行って
いるのがPV−Netで、運営資金は会員からの安い会費収入が大半という。特別な相談
案件ごとのコンサル料をとっているわけではない。
最近では地域の地場企業や自治体がこうした「市民共同発電所」に目を向け、積極的に
参画するケースも増えているようだ。現在、市民共同発電所は全国に458件、その発電規
模は約52メガワットで、まだ日本全体の発電規模からすれば微々たるものに過ぎない。
しかし、地域にとっては貴重なミニ発電所であり、その周りにさらに新しい発電所を設置
してそれらを連系、電気の相互融通や災害時の非常用電源として重要な役割を持たせ、さ
らにそれを中核とした地域貢献・振興策を具体化する「コミュニティ協働発電所」に昇華
させたいと、都筑代表理事は語っていた。
一方で、名だたるPV大手メーカーやソフトバンク系企業などの新興企業は計数百件の
メガソーラー事業を展開、大きな利益を計上している。反対に市民活動を軸においたPV
−Netは青息吐息の運営状況という矛盾をどう考えたらいいのか。かつての東京電力な
どは、こうした市民的活動に対して人や資金面などで積極的に支援、それが地域の底上げ
に繋がると認識していた。ところが、最近のPVメーカーや太陽光発電協会のような公益
団体すら利益至上主義であり、社会の立て直しのための支援をしようとする姿勢が全く見
られない。電力大競争時代を前に、市民共同発電所などとの友好関係を築くような度量の
大きさが求められよう。
新誌名でエネルギーの“S+3E”を追求します
2014/04/02(Wed) 文:(崎)
いつも「時報PV+」をご購読いただきありがとうございます。「時報PV+」は4月1日号(第75 号)から誌名を『創 省 蓄エネルギー時報』に変更いたしました。略称は「創エネ時報」です。新誌名とともに表紙のデザインも一新しました。
「時報PV+」は2010 年6月と8月に創刊準備号を発刊し、10 月1日に創刊しました。当時はエネルギーに関して、供給安定性(エネルギーセキュリティ)、経済性(エコノミー)、環境保全(エンバイロンメント)の“3E”が重要であるとの議論が盛んでした。
私たちは、純国産エネルギーであり、二酸化炭素(CO2)を排出しない再生可能エネルギーを増やすことが、3E達成の道であると信じて、再生可能エネ普及に有益な情報を発信しようと、「PV+」を創刊しました。経済性の点では大規模電源に劣っていたわけですが、長い目で見れば、必ずや克服できると考えました。そこで、再生可能エネの代表格の太陽光発電つまりPVとそれに風力発電などほかの再生可能エネを加えるという意味で「+」を付けた誌名にしました。
創刊から半年足らずの2011 年3 月11 日に東日本大震災に見舞われ、多くの方々が犠牲になると同時に、東京電力福島第一原子力発電所で炉心溶融という大事故が起きました。エネルギーのキーワードは安全(セイフティ)を加えた“S+3E”となりました。
系統電力が途絶する中で、再生可能エネが威力を発揮しました。またその後の原発停止による電力危機により、省エネやコジェネレーションなども加えた自立分散型電源、蓄電、さらに地域や住宅のスマート化の重要性に認識が深まったのはご存じのとおりです。政府は2012 年7月に再生可能エネ電気の固定価格買取制度を開始、また電力システム改革に踏み出しました。
私たちはこれらの情報を発信する中で、当然ながらPV以外の創エネや省エネ、蓄エネ、スマート化についても幅広く報道してまいりました。再生可能エネもPVだけでなく、風力やバイオマスなどへの関心も高まっています。そこで今回、報道内容に合わせて誌名を変更し、エネルギーの“S+3E”を追求されるより多くの皆様に有益な情報をご提供したいと考えました。
今後とも末長くご愛読いただきますよう、お願い申し上げます。
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