今月のキーワード エネルギージャーナル社

今月のキーワード
[過去214〜229 回までの今月のキーワード]


エネルギー制約時代下のリニア新幹線建設
2013/10/02(Wed) 文:(水)

 まず、本誌が時折転びながらも創刊丸3年を今号で迎えることができたことに、読者諸兄姉そして広告提供企業に深く感謝申し上げたい。創刊は、未曾有の災害をもたらした2011年3月11日の東日本大震災が起こる半年前だった。まだ原子力発電は全国で54基が電力供給の30%弱を担い、爆発的な再生可能エネの拡大や多様な省エネ対策もあまり具体化していなかった。創刊を応援してくださった関係者からは、「福島第一原発事故を予想していたのか」と問われることがあったが、そんな神のようなことをできるはずもない。ただの偶然だが、3.11前に誕生させたことには多少の誇りがある。
 3.11以降、わが国のエネルギー情勢は一変している。一言でいえば、「エネルギー利用の制約と多様化時代」に入っているといえよう。54基の安価といわれたベース電源の原発は現在1基も動いておらず、年内一杯この不安定状況が続く。その代替として、シェールガス革命の影響がおよびつつある天然ガス(LNG)と石炭、それに分散型の再生エネやコジェネレーション(燃料電池含む)などが大幅に導入拡大されている。が、国際的に一層の削減要請が出されているCO2等問題に対応できないし、常態化しつつあるわが国の貿易収支赤字も止められない。環境も経済も二流国に陥落する寸前である。
 こんな大事な時に総工費約9兆円という巨額をかけ、名古屋〜東京間にリニア中央新幹線を建設する事業が、来年度着工を目指して環境アセスの手続きが始まった(2027年に開業予定)。最終的には大阪まで延伸し、東京・名古屋・大阪の3大都市圏をそれぞれ最速で40分と67分(時速500km)で結ぶという。
 しかし、リニア新幹線はその構造上、電気の“缶詰” といわれるほど大量の電力が必要となる。エネルギー供給の制約時代を迎えた今日、住宅に設置されるPVに換算すると10万戸以上に匹敵するこうしたエネ大量需要家には、少なくとも再生エネ等の一定の「創エネルギー」を義務付けるべきではないか。「より遠くへ、より早く」は3.11前の発想であり、エネ供給が潤沢な時代の単一的な価値基準だった。一方で、首都圏大地震や南海トラフ地震も想定されて安全性確保に懸念が残る中、本当に国家100年の計に値する事業なのかどうか。中間駅が設置される地域への経済効果も試算されているが、今の新幹線沿線では在来線時代に比べてかえって地域が疲弊した事例も指摘されている。経済効果をいうならば、国際的にも極めて高い水準といわれるJRの運賃こそ引き下げた方が内需拡大に貢献するだろう。



電力危機と温暖化緩和に、省エネを見直す秋にしよう
2013/09/18(Wed) 文:(崎)

今夏は梅雨明けの7月中旬から全国的に気温が平年をかなり上回り、太平洋側では平年を3℃以上上回ったところも多かった。8月10日には高知県四万十市と甲府市で、6年ぶりの40℃超えとなった。さらに12日には四万十市で観測史上最高の41℃を記録した。7月28日には山口と島根で1時間降水量140mm前後、8月9日には秋田と岩手で同100mm前後の大雨となった。そのうえ9月に入って埼玉や千葉、栃木の一部で竜巻が発生した。
 こうした異常気象が地球温暖化の影響によるものかどうかの判断は難しいが、原因の一端を担っている可能性は高いだろう。温室効果ガスの排出削減が急がれる。政府は「90年比25%削減」の見直し作業に入ったが、いまだに決められず、11月の国連気候変動枠組み条約第19回締約国会議に間に合わない可能性が出てきた。
 原発事故から2年半、いまだに大量の汚染水の処理にめどが立たない状況で、原発の再稼働は難しい状況だ。固定価格買取制度で太陽光発電は急増したが、再生可能エネルギーによる発電が電源の一定割合を担うにはまだ時間がかかる。当面は節電、省エネルギーに一層力を注ぐことが最大の温暖化対策になるだろう。
 製造業の生産1単位当たりのエネルギー消費(原単位)は1990年代以降、上昇傾向がみられる。この間、熱源機や生産機械などで多くの省エネ機器が開発され、電気と熱の両方を生み出すコジェネレーション機器の高効率化も進んだ。ビルを含め、省エネに関する包括的なサービスを提供するESCO事業もたくさん生まれている。
 化石燃料や電気の価格が高騰し、省エネ投資の回収期間も短くなっており、原単位を下げるチャンスではないだろうか。家庭も同様だ。最近、家庭向けESCOビジネスも立ち上がった。まずは徹底的に無駄を排除し、次に古くなった機器や家電品の省エネタイプへの更新、ESCOなどの活用が有効だ。
 電気の需給状況に応じて価格を変動させ、需要を調整するダイナミックプライシングの実証でも需要のピークシフトと料金の低減が確認された。こうした工夫も必要だろう。通信の自由化によって通話料が下がり、消費者が選べるさまざまなメニューが提示されたように、電力システム改革によってこうした工夫の余地も広がり、消費者の選択の余地も広がるだろう。
 電力危機と地球温暖化の緩和のために、古くて新しい「省エネ」を見直す秋にしよう。



暑かった夏の温暖化進展と原子力発電
2013/09/04(Wed) 文:(水)

 今年の夏は猛暑が日本列島を襲い各地でこれまでの最高気温を更新、ゲリラ豪雨などの被害が多発した。高知県の四万十市では国内観測史上最高の気温41.0℃になった(8月12日)のをはじめ、8月中旬の気温が東日本は平年に比べ+2.4℃、西日本は+同2.3度(各気象庁調べ)と、うだるような暑さだったことを裏付けている。
 こうした異常気象の要因については、地球温暖化の進展がもたらす気候変動説が有力であり、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)と呼ばれる国際機関は、今月下旬にも最新の科学的な知見を第5次報告書としてまとめ、ストックホルムで公表する予定だ。報告書では各国のCO2削減が抜本的に実現されないと温暖化による気候変動等の深刻さが一層進み、今世紀末には地球生態系の最大危機を迎えるとの予測が示されるという。日本ではこの夏50基ある原子力発電所の大半が停止中のため、CO2を排出する火力発電がフル稼働、今年 1年はおそらく史上最高水準のCO2排出量になるかもしれない。
 月刊「WEDGE」という雑誌がある。その9月号では原子力発電とそれ以外の発電方式とのメリット・デメリットについて、根拠となるデータを用いて客観的に比較考量、原発の優位性を論証している。興味深かったのは、原発と火力の危険性比較の例示だ。例えば、各エネルギーの採掘や利用に伴う「過酷事故」(5人以上の死亡)の統計(即時死亡者数)をみると、1969〜2000年では石炭が事故件数75件で2259人、石油が165件で3713人、天然ガスが90件で1043人、水力が1件で14人、原子力が0件で0人となっていた(ただし、いずれもOECD諸国が対象。出所はOECD/NEA資料)。
 また、東京電力福島第一原発事故で起こした住民被害や放射能汚染による発がん可能性などの健康疾患にも触れている。その指摘では、チェルノブイリ原発による発がん死亡者数は4000人から万人単位という国連機関の追跡調査を例示する一方で、WHO(世界保健機関)の調査を引用、大気汚染により世界の死亡者数は年間100万人を超えるともいう。
 原発の再稼働反対や廃止をいうのはたやすいし国民受けもする。しかし、原子力利用の功罪は不可逆的な地球の温暖化進行や、ここ2年続く化石燃料輸入増による年間3〜4兆円という国富の流出などの問題も含め、人類の悲劇を招かないというグローバルな視点から冷徹かつ合理的な判断をすべきと思う。 



潜在的ニーズ掘り起こして大きなビジネスを
2013/08/14(Wed) 文:(崎)

 参院選の圧勝により政権基盤を固めた安倍晋三首相は「アベノミクス」なる経済政策を強力に進めることになる。金融緩和、財政出動に続いて最も重要な3本目の矢である成長戦略が放たれたが、踏み込み不足の感はぬぐえない。参院選後、産業界からは法人税率の引き下げや規制・制度改革を求める声が相次いだ。
 円安は輸出企業の業績回復につながるとの期待から株価は上昇した。その半面、石油や天然ガスなどのエネルギー、鉱物資源、食料品など輸入品は事実上値が上がり、内需に依存する中小企業や、賃金が上がらない生活者にとっては厳しい局面となっている。
 円安や法人減税はある程度の景気刺激はあるだろうが、効果は限定的である。グローバル競争にさらされている自動車などの大型製品のメーカーが需要地に製造や開発部門を移す流れは変わらないからだ。ホンダはアジア専用車の設計開発部門業務をタイに移管する方針を打ち出した。現地の嗜好に合わせて競争力を高めるためだ。トヨタ自動車や日産自動車もアジアでの車両組み立て、部品の現地調達だけでなく、開発の現地化を進めている。
 日本では物質的には充足しているうえに、人口減少により既存製品の需要増は望めない。大企業が海外で稼いでくれるのは結構なことだが、中小企業の受注は減少し、生活者の雇用も減少する。これを解決するのは国内の需要を増やすことである。これまで数多くの成長戦略が効果を上げ得なかったのは供給側に軸足を置いていたからである。
 国内市場を目指す企業は消費者の当面のニーズを満たすだけでなく、消費者が意識していないような潜在的なニーズに働きかける製品やサービスの開発で、需要を喚起しなければならないだろう。成長戦略はそうした取り組みに重点を置くべきではないだろうか。
 本誌のテーマである再生可能エネルギーや省エネ、蓄エネ、コジェネレーションなどでも、潜在的なニーズを掘り起こせば、大きなビジネスになる製品やサービスはたくさんあると思われる。原子力発電や地球温暖化に対する不安は日本だけではない。海外にも売れるだろう。既存の企業やベンチャー企業に期待したい。そのためには為替相場や法人税よりも、規制緩和や電力システムなどの制度の改革を急がなければならない。



洋上風力の実証事業に高まる熱い期待
2013/07/24(Wed) 文:(水)

この夏日本の沿岸部2カ所で、次代の再生可能エネルギーの主役と期待されている浮体式洋上風力発電の実証研究事業がスタートする。(表紙に写真)
 一つは、福島県広野町沿岸部から約20kmの沖合海面に、出力2000kWの洋上風車1基と浮体式洋上変電所一式を建設する(第一期)。経済産業省の2011と13年度予算に計230億円が計上されている。来年度からは、第二期事業としてアドバンストスパー浮体とV字型セミサブ浮体と呼ばれる各々7000kW相当の風車を建設する。すでに、この5月から係留アンカーチエーンの設置や浮体構造物のドック出しが始まっており、今月20日頃には小名浜港から第一期で予定する一連の関連設備が広野沖に曳航される見通しだ。運転開始は期間途中の天候と海象条件にもよるが、10月中旬を目指している。この歴史的な事業を担う企業は丸紅、三井造船、ジャパンマリンユナイテッド、東亜建設。
 もう一つは、環境省が長崎県五島市の天見ヶ浦周辺海域に建設する実証事業で、これまでの100kW小規模試験機に代わる2000kWの洋上風力発電機を設置する。こちらも6月から設置のための準備工事に入っており、順調に行けば9月にも運転開始にこぎ着けられるという。このプロジェクトを進める企業等は戸田建設、日立製作所、芙蓉海洋開発の3社と京都大学、(独)海上技術安全研究所で、まさに産官学一体の開発体制となっている。どちらの事業が早く、首尾よく運転開始に漕ぎ着けられるか見ものだ。
 洋上風力には実用化が早いとみられている着床式と海底に固定しない浮体式の2方式があり、後者の開発実用化はそのポテンシャル規模や立地の容易性、関連技術の応用拡大などから、新たな一大産業を形成するのではないかと期待されている。海外でも浮体式洋上風力は実証事業が始まったばかりであり、先進各国は数年後の実用化にしのぎを削っている。日本と同じ海洋国の英国では、原発建設の代替として数百万kW規模の開発計画があるという。特に技術的な領域では、日常的に揺れながら巨大構造物が浮かぶという「不安定さの中での安定性の確保」や、台風などの荒天にも耐えられる未知の技術の確立がいたるところにあって、システムや部品一つ一つに独自の工夫が必要になるようだ。
 この分野で是非とも技術立国・日本がこれまで培ってきた高いレベルの実力を見せて欲しい。



原発の新規制施行、安全神話との決別が最大の対策
2013/07/03(Wed) 文:(崎)

 原子力規制委員会が原子力発電所の新しい規制基準を発表した。8日に施行される。東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、原子炉を冷却するための電源車や消防車の配備、フィルター付きベント(排気)装置の設置、不燃性の電源ケーブルの使用、活断層上への原子炉建屋設置の禁止などが主な内容だ。また緊急時の制御室設置など航空機によるテロ対策や火山噴火や竜巻対策なども盛り込まれた。
 関西電力など電力4社は8日の施行後、ただちに再稼働を申請する予定だ。いまのところ、北海道電力泊、関西電力大飯と高浜、四国電力伊方、九州電力玄海と川内12基が申請すると予想されている。ただし規制委員会の審査は半年程度かかる見通しで、実際に再稼働するまでにはさらに時間がかかりそうだ。
 電力会社は新基準に適合するためのコストと原子炉の寿命を秤にかけ、古い原発は廃炉にする可能性もある。一方で、電力会社は火力フル稼働のための天然ガスなどの燃料費増による経営圧迫の問題などから、申請した原発については早期の審査、再稼働を求めている。だが、再び原発事故が起これば、日本から原子力の火が消える事態になりかねない。ここは時間をかけても厳密に審査することが求められる。
 新基準でハード面の対策はそろうだろうが、もう一つ重要なソフト面の対策を怠ってはいけない。福島の事故は、防波堤の問題や電源喪失などが原因だが、その背景は「日本では過酷事故は起きない」という“安全神話”が背景にあったことは間違いない。原発はトイレのないマンションと揶揄されるが、実は過酷事故の際に住民を安全に避難させる非常口もなかったのである。
 電力会社は新基準をクリアしたから大丈夫と考えるのではなく、基準は再稼働のための想定できる最低限のハードルであって、常にそれ以上の安全を考えながら操業することが大切だ。万全の対策を施しても事故は起こると考えてハード面だけでなく、ソフト面の対策も講じなければならない。なによりも“絶対安全”はないこと、つまり安全神話との決別を、原発関係者が共有することが原子力の火を消さない最大の対策だと思う



電力改革法の修正てん末にみる危機感の希薄さ
2013/06/26(Wed) 文:(水)

最終ゴールとしては大手電力10 社の発電・送配電・小売部門を分割させる「電気事業法の一部改正案」が、一転して今国会で成立する可能性が高まってきた。この改正案は今後の電力システム改革を3 段階に分け、当面は全国大の電力需給等をコントロールする独立した「広域系統運用機関」を創設、次のステップとして現行の規制部門を取り払う「小売全面自由化」と、発送電分離を実現するプログラム規定を置いたもの。戦後60年ぶりの電気事業制度見直しと言われ、計画通り進めば2018〜20年頃には多様な業種がエネルギー市場に参入する大競争時代が到来すると予想されている。
 そうした電気事業改革を盛り込んだ改正法案だったが、国会提出に不可欠な自民党の了承とりつけにとまどって衆院提出が大幅に遅れた上、提出されたあとは民主党の抵抗姿勢にあい、法案成立が絶望視されていた。民主党は政権をとっていた昨年までは電力改革に熱心だったが、野党になった途端に支持母体である電力労連などの意向も呈してか、消極姿勢に転じていた。
 ところが、今月26日の会期末まで1ヵ月を切った7日の与野党協議で自民、公明、民主の3党が法案の修正で合意、それまでの対応方針を変えて審議促進を図り、野党多数の参院も通す合意ができているという。修正内容は、政府原案にあった全面自由化の実施時期やプログラム規定に関する法案提出の際の判断基準を厳格にしたものだが、正直言ってそれほど重要な修正とも思えず、自民と民主がお互いの面子を立てたとしか言いようがない。
 翻って、電力会社が抱える目下の課題を見てみよう。原発の再稼働については7月から新しい規制基準の下で安全性是非の審査が始まるものの、原発敷地内の活断層問題もあって本格的な複数地点の再稼働は来年になる可能性がある。この間、火力燃料費の増大と地球温暖化を加速させるCO2排出増が続き、加えて電気料金の値上げとともにわが国の貿易赤字が数兆円というかってない状況が常態化する。また、電力会社自身の経営赤字も2〜3年にわたって続き、ほとんどの準備積立金を取り崩し、まさに経営存立の岐路に立つことになる。さらに、高経年化原発などの廃炉措置に伴う財務負担等が今後のしかかり、今回の改正案が予定した電力システム改革どころの話しではない。国会の電気事業法改正審議ではこうした現実の難題をどうするのか、原発の役割を中長期的にどう整理するかなど、全く答えが出されなかった。
 現実の問題から逃避したのでは、電力大競争時代という新しいパラダイムが生まれるはずがないと思うのだがどうだろうか。



スマートコミュニティはマーケットインの発想で
2013/06/12(Wed) 文:(崎)

 スマートシティ、スマートコミュニティが全国各地に広がってきた。インテグレーターである大手電機メーカーなどが国内でスマートコミュニティを実証して海外へシステム輸出しようという動きもあり、関連ビジネスは大きな広がりを持つとの期待感が高まっている。
 スマートコミュニティとは電気、ガス、上下水道などの社会インフラと住宅やビル、工場といった地域の建物やそこで使われるさまざまな機器、システム、自動車などを、情報通信技術(ICT)などによって有機的につなぎ、環境負荷を低減しながら快適な生活が営める地域づくりである。
 日本では東日本大震災と原子力発電所の事故により、電力供給に懸念が生じたこともあり、エネルギーがスマートコミュニティの中心課題になっている。太陽光や風力、バイオマスなどの再生可能エネルギーによる発電、コジェネレーション(熱電併給)、蓄電池などを組合わせ、系統電力への依存を低減する構想が多いようだ。だが最終的にスマートコミュニティが目指すところはエネルギーだけではなく、交通システムや医療・福祉、防災、治安などに広がっていくものとみられる。
 ただし現状では政府系の補助金による実証事業が中心になっている。このため補助金が途切れた時にビジネスとして成り立つコストが必要になる。またスマートコミュニティビジネスの調査を行った機械振興協会経済研究所の近藤信一研究副主幹は「大手電機メーカーなどのインテグレーターと地域のニーズに齟齬(そご)がある」と指摘する。
 大手メーカーは自社のシステムを中心にB to B(企業向け)のビジネスを志向する傾向があるが、実際にスマートコミュニティのユーザーは地域の住民であり、本来はB toC(消費者向け)のビジネスであるということだ。このビジネスはあくまでも地域のニーズ、実情に合わせたマーケットイン型のビジネスでなければならないということである。
プロダクトアウトの発想ではグローバルに展開しようとしても“ガラパゴス化”しかねない。インテグレーターは地域住民のニーズの把握に努めると同時に、地域の実情を熟知した金融機関や中小企業をプロジェクトにかませるといった方法で、マーケットイン型のビジネスモデルを確立すべきではないだろうか。それが国内市場を広げることにつながり、さらにグローバル展開にも役立つと思われる。



猪瀬東京都知事の電力改革提案
2013/06/05(Wed) 文:(水)

 東京オリンピックの招致運動では失言でミソをつけた猪瀬直樹知事だが、エネルギー需給問題の解決とりわけ電力システム改革にかける意気込みは副知事時代から変わらず意気軒昂だ。先月25 日には茂木敏充経済産業大臣を直接訪れ、電力システム改革の進め方に関して5 項目を要望、経産相の強いリーダーシップを迫っていた。
 要望で目立ったのは、「新電力」(新規参入の電力会社)に域外供給も含め供給シェアの30%程度を担うような政策展開をすべきというもの。もう一つは、中小の発電が多い公営水力(全国に約240 万kW 存在)を新電力に売電できる環境整備を推進して欲しい、という内容。前者については、新電力の供給シェアが全国大で2 〜3%程度(東京電力管内は7〜8%)なので、とてつもなく大きな数字であり、その意味するところは現行10 電力体制の再編を促していることだ。加えて、従来の供給エリアを超えた域外供給による競争市場化も強く要求した。すでに都は昨年から隣の中部電力に対して、関連施設への供給を打診、今年度も同様の要請中だ。
 昨年は原発停止による供給力不足を理由にその域外供給を断ったが、今年度はそれほど需給逼迫がひどくないのに加え、東電の電気料金が値上げにより中部電力に較べて平均1 割以上高くなっており、断る理由が難しい。これまでも、都は東電との契約を順次新電力に切り替えており、これが加速化する可能性がある。猪瀬知事と会談した茂木経産相も、域外供給が進まないネックを調べてみると応じ、国の電力システム改革制度の施行よりも早く実現しそうだ。
 後者の公営水力を新電力のベース電源に切り替える話も、これまで電力会社に安い売電価格での供給をしてきただけに、これが自由化されれば再生可能エネルギーの市場も一気に膨らむ可能性がある。この問題では東電が契約違反として52 億円の賠償要求をしていたが、どうやらそれも引っ込める形で解決になりそうだ。
 ただ、猪瀬知事はこうした時代のスポットライトを浴びるようなテーマについては攻勢を強め実行力もあるが、少し地味でより大事なテーマについては目をつぶっている。例えば、大都市・東京としての電力大需要をどう構造的に減らしていくのかという政策展開が見えない。また、東電の大株主としての福島第一原発事故による被害者対策や安全対策の責任などには沈黙したままだ。



イノベーション担う再生エネベンチャーに期待
2013/04/24(Wed) 文:(和)

 アベノミクスに日銀が歩調を合わせ、円安、株高が進んでいる。これで日本経済に明るさが戻ったと考えるのは早計だろう。円安になれば、燃料や食料をはじめとする輸入品の価格は上がり、企業はコスト高、生活者にとっては出費増につながる。金融政策による誘導に、実体経済がついていかなければ、単なるミニバブルにすぎない。
 日本経済の“失われた20 年”は何に起因するのかを正確に把握し、持続的成長を目指さなくてはならない。日本経済は戦後、奇跡的な高度成長を遂げたが、1990 年代初頭以降、低迷が長期化している。これは経済成長の成功体験を引きずり、経済グローバル化の波に乗れなかったことが原因の一つだ。
 DVDプレーヤーや液晶パネル、カーナビなど日本企業が技術面での優位性を背景に、初期段階で100%近い世界シェアを持っていた製品が、コモディティ化するとともに新興工業国にシェアを奪われる例が少なくない。本誌が対象としている太陽電池パネルなどの再生可能エネルギー関連にしても同様の傾向がうかがえる。
 いくら知的財産権で守る、ブラックボックスにするといっても、グローバル化の時代だから、技術、特に製造プロセスの技術は、技術者や製造装置、材料とともに世界中に広がっていく。それは日本が米国の技術を導入して高度成長を遂げたよりも速いスピードで広がっていく。バブル崩壊後、「創造的破壊」なる言葉が使われたが、大手電機メーカーの不振をみると実はこれが十分にできていなかったのではないかと思われる。つまり日本企業には従来の延長線上ではない非連続の発想に基づく製品、サービスの開発が求められている。フロントランナーとして成長していくには破壊的イノベーションを連続的に起こすことが必要なのだ。具体的には、新しい知識やアイデアをもとに人々が困っていることを解決する、あるいは顕在化していないニーズに応えるモノやサービスづくりである。しかも知識を産業にするサイクルを高速に回さなくてはならない。
 再生可能エネルギー関連産業は本格化したばかりである。非連続の発想で新しい製品やサービスを生み出してほしい。特に成功体験のない若い世代の人々が再生可能エネルギーベンチャーを興し、イノベーションの担い手になってもらいたい。



「一票の格差」違憲判決が立法府役割を変えるか
2013/04/03(Wed) 文:(水)

 国政選挙で一票の価値が日本一軽いといわれる衆議院千葉4区の当選得票数(昨年12月)が16万6334票(ちなみに、当選者は野田佳彦前首相)、これに対して、岩手1区で当選した議員は5万5909票で、単純に見ればおよそ3倍の格差がある。こうした「一票の格差」に対して、「公平な選挙権の行使が阻害されて違憲、かつ前回の選挙は無効」と主張する裁判が全国で17件も提起されていたが、広島高等裁判所の筏津裁判長は3月25日画期的な判決を下した。
 その判決内容は、広島1・2区で実施した昨年12月の選挙は違憲であるとして「無効」との判断を初めて示した。今年11月26日までに選挙制度が是正されなければ前回選挙の有効性を失うとも指摘した。これまで裁判所は立法府における選挙区割りの見直し努力を見守り、選挙自体は無効としない「事情判決」を出してきたが、ついに堪忍袋の緒が切れた判決でもあった。実は、この問題は3.11からの震災復興と経済再生を目指すわが国にとって大きな関連性を持っている。また、先月交渉参加を表明したTPP(環太平洋自由貿易協定)や再生可能エネルギー等の導入拡大などにも深く関わっている。
 端的に言えばわが国の国会の勢力には、選挙で投票した民意がそのまま反映されず、今の一票の格差が選挙制度により歪められているということだ。その結果、国会勢力では党派を問わず得票数の少ない農村系議員が圧倒的に多く、予算や税制、法制度の制定・見直し、各種の規制緩和などで第一次産業に有利になるような構図がまかり通っている。昨年暮れの2013年度税制改正作業が佳境に入っていた時、農水省等が温暖化の原因となるCO2を吸収する機能として森林環境税の創設を強く要求した。しかし、同じような温暖化対策税がすでに導入されており、霞ヶ関ではとても無理とみられていたが、土壇場で農水系議員を大量動員する一方で自民党幹部に大攻勢をかけ、逆転寸前までいったという。資源エネルギー庁や環境省の官僚はそのすごさに顔が青ざめたようだ。
 再生エネの導入拡大においても、風力発電の立地やメガソーラー設置に伴う農地転用許可の困難さなど多くの隘路が指摘されている。もちろん一次産業存続の重要性は論を待たないことでもある。しかし、「一票の格差」問題の解決が立法府の機能を大きく転換させ、わが国の将来をよりよい方向に導いていくのではなかろうか。



スマートコミュニティー“被災地モデル”を全国に
2013/03/21(Thu) 文:(山)

 東日本大震災の被災地ではがれき処理などの復旧は進みつつあるが、本格的な復興はこれからだ。津波と原子力発電所の事故により、いまだに多くの人々がつながりを断たれたままでいる。人と人のつながりはもとより、人と住まいのつながり、人との職つまり工場や事務所や田畑や漁場やお店や学校などとのつながり、さらに人とコミュニティーのつながりが寸断された。
 本格的な復興とはこれらのつながりを元に戻す、あるいは新しくつなぎ直すことだと思う。原発の事故を踏まえ、まずは被災地に安全・安心、かつ持続可能で災害に強いエネルギーのインフラを整備することが、こうした復興全体を機能させるカギとなるだろう。
 被災3県を中心に東北では再生可能エネルギーの導入やスマートコミュニティーの構築、エネルギーの研究や実証が計画されている。昨年12月には経済産業省が次世代エネルギー・社会システム協議会を開き、「スマートコミュニティー導入促進事業」として7件のマスタープランを認定した。
 時報PV+3月15日号でも宮城県気仙沼市の取組みなどを紹介している。そのほか、岩手県宮古市・エネット・東日本電信電話、宮城県大衡村・トヨタ自動車東日本など6グループが2015年度までにスマートコミュニティーづくりに取組む。
 農業、漁業、工業、観光業、住宅など地域の中心的な産業も異なる。当然、エネルギーの使い方も違ってくる。コミュニティーとは単なる地域社会ではなく、一定の地域に居住する共通感情を持つ人々の集団である。スマートコミュニティーは再生可能エネやコジェネレーションなどの分散型エネルギーを、情報通信技術と蓄電池により効率的に使うことだが、構築には地域の特性を生かすこと、そして地域の住民、企業が積極的に参画していくことが欠かせない。
 分散型エネルギーなどを核として雇用はもちろん、つながりを再構築する視点を持たなくては、スマートコミュニティーは成功しないだろう。被災地だけでなく、国内の多くの地方都市が高齢化や人口減少によるつながりの寸断で、衰退の危機にさらされている。スマートコミュニティーの“被災地モデル”を全国展開し、地域の活性化にも生かしていくことが求められている。



東電の石炭火力新増設問題に注目
2013/03/06(Wed) 文:(水)

東京電力が先月中旬から入札募集を開始した計260 万kW 規模の電源計画の行方が注目
されている。経営再建を目指す同社にとっては、柏崎刈羽原発の再開見通しが立たない中、
中期的なベース電源として是非とも確保しておきたい火力発電所だ。入札条件で設定した
上限価格の9.53 円/kWh というきびしい水準から、応札案件は事実上石炭火力とみられて
いる。ところがこの石炭火力計画に、環境省は国内のCO2削減対策から問題ありとして
難色を示し、計画を推進したい経済産業省も巻き込んだ調整が続けられている。
入札公募期間は5 月24 日までとなっているが、環境省のきびしい対処方針が続けば、
その後必ず事業主体が実施することになる環境アセスメントの手続きでノーとなる可能
性が高い。そうなると先行投資分を回収できない事態も想定され、投資リスクが大きく
なって応札に二の足を踏む企業が多くなる。
注目点の一つは、既設原発の再稼働遅れによる電力供給方策の代役として石炭火力の
新増設が容認されるのかどうか。当面の代役としては、再生可能エネルギー導入の加速
化や天然ガス火力の推進などが安倍内閣でも踏襲されているが、石炭火力の新増設はC
O2削減の観点から政府として強く「抑制方針」を採ってきた。2009 年には福島県の小
名浜で計画された石炭火力が中止に追い込まれたケースもあった。環境省にしてみれば、
そうした政府としての政策判断があったにもかかわらず、中長期のエネルギー政策も不
在のまま、東電計画だけを特別扱いするわけにはいかないという認識だ。
もう一つは、欧米の石炭火力新増設計画では従来のような単純な生焚きではない高効率
の燃焼方式や、将来CO2の貯留・回収を行うCCS対策などをセットにする事例が多くなっ
ており、日本の国際的な遅れが指摘されていることである。特に米国ではCO2が法律に
基づく大気汚染物質となっており、新増設に際して最大限の環境対策が要求されている。
また、高効率の燃焼方式は「ガス化複合発電」(IGCC)技術として、日本の日立製作所
や三菱重工業が世界のトップを走り受注に成功、国内でも商用段階に入っている。
メーカー側はこうした技術の海外展開が世界のCO2削減に大きく貢献するとして、
日本での採用を期待しているようだ。当然こうした方式の採用は建設コストのアップを
招くが、一時の近視眼的なコスト高を判断基準とするのではなく、国内において新技術
を採用することで石炭利用の隘路をなくし、それをバネとして世界のCO2削減にも大
きく貢献するという、大局的な判断を行うべきではなかろうか。



電力自由競争の時代に 〜顧客に選ばれる工夫が試される〜
2013/02/13(Wed) 文:(雄)


 経済産業省の電力システム改革専門委員会が電力会社から送配電部門を分離する発送電分離の報告書をほぼまとめた。小売りの全面自由化や料金規制の撤廃なども盛り込まれた。経産省はこれに沿った電気事業法改正案を今国会に出す方針だ。これにより60年余り続いた大手電力会社による地域独占体制が崩れる。
 大手電力会社が発送電を担う垂直統合型システムは高品質の電気を供給して日本の高度経済成長を支えた。一方で独占の弊害も指摘され、10数年前から部分自由化が進められたが、現実にはほとんど大手間の競争は起きず、特定規模電気事業者(PPS)のシェアも低迷している。ところが福島第一原発の事故による電力供給不安で状況が一変した。
 報告書によると、まず地域を越えて広域的な系統計画策定と需給調整を担う広域系統運用機関を2015年に設立。16年をめどに小売りへの参入を全面自由化し、18〜20年に大手電力の送配電部門を別会社にする法的分離で発送電を分離する。最終的には料金規制を撤廃して自由に料金が決められるようにする。
 改革が実現すれば、異業種からの電力市場への参入が期待される。また再生可能エネルギーによる発電の普及にもつながるだろう。通信の自由化が料金を下げ、さまざまなビジネス、多様なサービスを生んだように、電気の世界でも大きなビジネスチャンスが到来するとみられる。もちろん改革により安定供給が損なわれることがないよう、適切な制度設計が求められることは言うまでもない。
 自由化が進めば、まず大手電力会社同士の競争が始まるだろう。さらにガスや石油といったエネルギー産業からの参入が相次ぐとみられる。これによってエネルギーの垣根を越えて熱や電気を供給し、国際競争力を備えた総合エネルギー企業が誕生する可能性もある。
 再生可能エネルギー発電事業者や地域に根差した中小の電力会社も料金の競争だけでなく、知恵と工夫で独自の料金体系などのサービスを生み出し、顧客に選ばれるようにならないと、総合エネルギー企業の競争のはざまに埋もれかねない。自由な競争はビジネスチャンスであると同時に、企業にとっては生き残り競争でもある。



高品質が当たり前の電力供給を見直す時期
2013/01/30(Wed) 文:(水)

 新年早々所用があって1年半ぶりに北京に赴いた。昨年報道された中国の電力不足が気になったが、幸い滞在中は停電にはぶつからなかった。ただ夜8時過ぎると、道路沿いのネオンサインや企業広告などの照明がかなり落とされ、街全体に必要な明かるさが不足気味であった。
 北京市民の電力利用は、日本のような誰でもスイッチ一つでいつでも使える方式とは違ってカード式システムだ。利用者は予め一定の金額が印されたカードを購入、それを自宅の配電盤に差し込み、購入価格に達するまで使う。金額の残がなくなると新たにカードを購入するが、たまたま金欠の場合は電気が使えなくなる。電気代も決して安くはないため、市民は絶えず節電に気を遣うし、マンションの共用スペース部分でもセンサーによる明暗の切換え技術が進んでいる。
 わが国は昨年12月衆院総選挙の自民党圧勝を受け与野党が交代、自民党・公明党政権による新たな政策展開が次々と展開されつつある。民主党政権時代に仕掛りだった「脱原発依存」の具体化や、「電力システム改革」のまとめも焦眉の急だ。後者では、経済産業省の審議会がすでに電力小売り部門の全面自由化を打ち出し、送配電ネットワークの中立性確保のため、現在の電力会社から送配電部門を切り離す「発送電分離」という大改革に踏み切るかどうかが争点になっていた。
 電力業界とは近い関係にある安倍政権の対応が注目されているが、1月に再開された審議会ではこれまでの検討の方向通りに法的分離による発送電分離を具体化する必要性がほぼ共通認識となった。ただ、電力業界は長引く原発停止による財務状況の深刻化やシステム改革には約3600億円の費用がかかることを指摘、企業体力のないこの時期に拙速な改革を進めることのリスクを訴えた。このほかにも自然エネルギー導入拡大に伴う系統整備費、既設原発での安全対策強化費用など、とにかく電気事業にはカネのかかる事案が山積している。
 これらを考慮すると、日本の電気料金は今後間違いなく上がり続ける。電力改革の前提が、常に世界に類のない確実な供給(停電の少なさ)と高品質での供給義務となっているからでもある。この機会に、わが国でも中国のような需要家が主体的に電力利用を決めるシステムや、高品質から中品質供給に転換することを検討してはどうか。



経済対策はイノベーションによる雇用拡大に軸足を
2013/01/16(Wed) 文:(雄)

 第2次安倍晋三内閣が2012年末に発足した。安倍氏は首相就任前から大胆な金融緩和、インフレターゲットなどの金融政策をさかんにアナウンスした。市場は反応し、円安が進み、日経平均株価は大納会に年初来最高値を付けた。1万円札をどんどん印刷すれば、円の価値が下がって円安が進み、輸入価格が高騰してインフレが加速するだろう。
 一時的には景気浮揚のきっかけになるかもしれないが、こんな政策が長続きするだろうか。金融は経済の血液だが、血液だけが膨張して悲惨な結果を招くことはこの20年間に内外で多くの経験をした。大切なのは実体経済を立て直すことだ。実体経済が冷え込んだままではいくらお金をばらまいても国内には借り手がいない。
 旧自民党政権はバブル崩壊後、有効な経済対策を打てず日本経済を衰退へ導いてしまった。バブル崩壊後の長期不況により、高度経済成長を支えたと思われていた終身雇用制や年功賃金、系列取引などの日本的経営を見直し、米国などの経営システム導入を急いだ。社員には成果主義が適用され、社員に占める非正規雇用の割合を拡大させた。だが現実には経済は成長せず、失業率は高止まりし、所得格差が広がって、購買力のある中間層が減少している。
 中国などの新興工業国が経済成長しているのをみると、何をつくれば売れるかが分かっている場合は追いかける国のほうが有利だということではないか。したがってフロントランナーになったら、別の道を模索しなければならない。もともと経済成長は働きたいすべての人が働ける完全雇用ための手段である。完全雇用という目的のためにはワークシェアリングといった手段もあるが、一定の所得を得るにはある程度の経済成長は必要だろう。
 では、フロントランナーにとって経済成長に必要な要素は何だろうか。それはイノベーションである。新技術の開発、新しいアイデア、既存技術の組み合わせにより、潜在的な需要を喚起する、あるいは人々が困っていることを解決するような産業を興すことである。
 円をジャブジャブばらまくのではなく、こうしたイノベーションにより雇用を創出しようとするベンチャービジネスなどを見極め、的確に支援していくことが必要だと思う。安倍新内閣には、どうせ印刷する1万円札ならぜひとも有効に使っていただきたいとお願いしたい。



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