週刊「エネルギーと環境」 エネルギージャーナル社

今週の注目記事


Weekly Short Report


GI基金、タンデムPVとEEZ風力で千億超え

(省・新エネ)

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 経済産業省は9月2日、産業構造審議会グリーンイノベーション(GI)プロジェクト部会の作業会合を開き、「次世代太陽光発電開発」「浮体式洋上風力発電の低コスト化」の研究開発・社会実装計画改定案を示した。前者は、新たに次世代型タンデム太陽電池の量産技術実証事業を追加、今後約5年間で123億円を充てる。
 研究開発の目標として、1m2以上の実用サイズで変換効率30%超と設定した。また耐久性は20年相当で、発電コストは2030年までに1kWh12円を目指す。関連する既存プロジェクトも予算額を一部見直し、総額を648→800億円に引き上げる。タンデム型はNEDO事業としてカネカやパナソニック、長州産業等が開発・実装に取り組んでいる。
 後者は、排他的経済水域(EEZ)での導入を想定し、過酷海域での実証事業を開始する。水深500m以上で強風速や高波高などに耐えられる技術開発を8ヵ年計画で進める。すでに秋田県南部沖(表紙にイメージ) と愛知県田原市・豊橋市沖で実施中だが、新たにEEZを想定した沖合を想定して公募。都道府県の提案を基に実証海域を1ヵ所選定する。予算額は578億円で、総額は1428億円。同様にEEZを想定して係留やアンカー、ケーブル等のコスト低減に向けた実証事業を40→348億円に増額する。








釧路市がメガソーラー条例案、環境省に法整備要請

(省・新エネ)

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 国立公園の北海道・釧路湿原周辺でメガソーラー建設によるタンチョウ等野生鳥獣や植生等生態系保全への悪影響が指摘されている問題で、釧路市は4日、10kW以上の商用PV施設の設置を許可制とする条例案を市議会に提出した。2026年以降の着工事業を対象とする。
 市は今年6月に「ノーモアメガソーラー宣言」を行うとともに「釧路市自然と共生する太陽光発電施設の設置条例」の制定を進めてきた。条例案では、タンチョウやオジロワシ等の希少生物5種を「特定保全種」に指定。5種が生息する可能性が高いエリアを「特別保全区域」として、同区域での建設事業に対し生息調査や保全に係る対策を事業者に事前に求める。条例案が成立すれば、10月1日付けで施行、26年1月適用開始を目指す。
 これに先駆けて環境省は1日、浅尾環境相の指示を受けて、川越久史野生生物課長が鶴間秀典市長と面会、意見交換を行った。鶴間市長は「自治体として自然を守れる法整備を望む」と、開発を規制できるような法改正を求めた。これに対し川越課長は、市の要請を持ち帰って対応措置を検討すると述べるにとどめた。









三井住友銀、地産地消バイオマス電力を導入

(省・新エネ)

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 三井住友銀行は5日、電力の地産地消を目的にバイオマス発電由来の電気を一部営業拠点へ導入したと発表した。電力の地産地消を目的としたバイオマス発電由来の再エネ導入はメガバンクで初めてという。
 同行はネイチャーポジティブ・脱炭素社会実現を目的に取得した「SMBCの森」(神奈川県伊勢原市)で、間伐材を横須賀バイオマス発電所(6959kW、写真)の燃料として活用。神奈川県内にある三井住友の一部営業拠点で使用する電力の全てを、同発電所由来の再エネ電力とすることで、燃料の調達から発電→使用までを神奈川県内で行う「電力の地産地消」のスキームを実現した。









米核融合に日本12社が資金、30年代前半商用化

(原子力一般)

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 三井物産と三菱商事など12社の日本企業コンソーシアムは、米国の核融合新興企業であるCFSに資金提供、3日に記者発表を行った。
 CFSはトカマク型核融合炉の開発を手掛けており、現在マサチューセッツ州に実証機「SPARK」(100MW)を建設中。並行して世界初の核融合発電所となる「ARC」(400MW)をバージニア州に建設する計画を進めており、2030年代前半には送電開始を予定している。これら計画推進のためCFSは資金調達を進めており、シリーズB2ラウンドで日本企業12社コンソーシアムを含む総額8億6300万ドル(約1268億円)の資金を確保した。これによりCFSはこれまでに約30億ドル(4410億円)を調達した。
 日本コンソーシアムは両商社に加え日本政策投資銀行、フジクラ、JERA、日揮、三井不動産、商船三井、NTT、三井住友銀行、三井住友信託銀行、関西電力で構成している。
 CFSのボブ・マムガード代表は「米国と日本は核融合分野のリーダーであり、この投資は両国の協力の実績と一致している」とし、今後の核融合炉開発で日本を機器サプライヤとして期待するとともに、研究者との関係を維持し協力して政策立案を図りたいとした。そのうえで「日本は長期的に核融合のリーダーとなれる国でありトップマーケットだ」と述べた。









PVパネル再資源法案修正へ、費用負担を再検討

(廃棄物処理・リサイクル)

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 政府は、先の通常国会で未提出に終わった「太陽光発電(PV)パネルのリサイクル法案」について、代替案の検討に着手した。浅尾慶一郎環境相と武藤容治経済産業相が8月29日の閣議後会見で、制度の再検討を表明していた。
 当初案ではPVパネルの製造事業者と輸入事業者に費用負担を課す仕組みとしたが、内閣法制局は家電や自動車のリサイクル法制度において費用負担を所有者に課しており、整合性がとれないとしていた。
 今後、環境省等は費用負担のあり方を中心に制度の見直しを進め、再度の法案提出を目指す。提出時期については、現時点では示せないとしている。










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