原子力規制委の17年度予算、監視・検査体制強化 エネルギーと環境
週刊「エネルギーと環境」 エネルギージャーナル社

今週の注目記事


Weekly Short Report


電力データ開放・活用、集約システム運用開始

(電力・ガス)

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 大手電力10社が出資する送配電システムズ合同会社は9月28日、電力データ集約システムの運用を開始した。10月から東京、中部、関西電力エリアの同集約システムによる電力データをビジネスに利用でき、24年11月までに全国10エリアに拡大する。全国約8000万台のスマートメーターから得られる膨大な電力データの解析・活用は、新たなビジネスを生む契機となる。
 電力データ集約システムは、一般送配電事業者が保有する電力使用量などの電力データを整理、自治体や認定電気使用者情報利用者等協会(電力データ管理協会)を通して他者に提供する。災害時の事故対策や早期復旧などレジリエンス強化や、平時の高齢者の見守りや環境対策等の社会課題の解決に関連する新事業創出が期待されている。22年4月施行の改正電気事業法で、企業や自治体も電力データを利用することが可能になった。データの提供を受ける企業は、電力データ管理協会に入会し、個人情報保護の要求水準を満たす必要がある。同管理協会の年会費は統計データのみを利用する場合20万円だ。個別データも利用する場合は年会費50万円となりさらにデータ量に応じた利用料がかかる。



東北電力女川原発2号、24年5月に再稼働変更

(原子力一般)

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 東北電力の樋口康二郎社長は28日の定例会見で安全対策強化工事を実施中の女川原発2号機(BWR、82.5万kW)について、工事完了が2023年11月から24年2月にずれ込み、再稼働時期も24年5月頃になる見通しを発表した。工事完了時期の見直しは、追加的に実施中の発電所内の「電線菅の火災防護対策」(電線ケーブルが火災時にも損傷しないように周囲を断熱材等の耐火材でラッピングすると共に耐震補強)作業に伴うもの。
 同日、同社は原子力規制委員会と経産省に上記見直し内容を記した「使用前検査申請書の記載内容変更」を提出、また地元の宮城県、石巻市、女川町にも説明した。



高レ放射性廃棄物処分調査、対馬市長は応募せず

(原子力一般)

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 高レベル放射性廃棄物の最終処分場に係る文献調査の受け入れ是非を検討してきた長崎県対馬市の比田勝尚喜市長は9月27日の市議会で、「市民の合意形成が不十分だ」として、経産省の公募に応募しない方針を表明した。
 議会後の記者会見では、さらに懸念材料として▽市の主要産業である漁業などへの風評被害、▽賛否が割れている市民対立――などを指摘。市議会審議において、調査受け入れ促進の請願採択賛成10人、反対8人を踏まえた苦渋の決断だった心境を滲ませた。
 一方、比田勝市長の対処方針を受けて同日記者会見した松野博一官房長官は、政府として引き続き文献調査の実施地域拡大に取り組む意向を示したが、年内に数ヵ所目指すとする政府方針に暗雲が広がっている。



建築物省エネ法性能表示制度が来春施行、指針も

(省・新エネ)

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 国土交通省は25日、「改正建築物省エネ法」に基づき創設された「建築物の販売・賃貸時の省エネ性能表示制度」と「建築物再生可能エネルギー利用促進区域制度」を来年4月1日付けで施行すると発表した。これらの施行に必要な省令と告示整備を行った。
 省エネ性能表示制度は、新築建築物の販売・賃貸の際には告示で定める所定のラベル(写真)を用いて省エネ性能を表示することが義務化される。その具体的な運用のあり方や留意点を示したガイドラインもあわせて公表した。「建築物再エネ利用促進区域制度」は、市町村が太陽光発電設備など再エネ利用設備の設置を促進すべき区域等を促進計画として定めることで、当該区域内での新築等の際に建築士から建築主に対する再エネ利用設備の説明義務を課すとともに、容積率・高さ制限などの建築物の規制特例許可を可能とする制度。前者と同様に実務者向けのガイドラインを作成・公表した。



「東京GXウィーク」会合に37ヵ国の閣僚等参加

(国際協力・国際連携)

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 経済産業省は9月25日〜10月5日まで「東京GXウィーク」(2736既報)を開催した。初日は「プレナリーセッション」「アジアグリーン成長パートナーシップ閣僚会合」「水素閣僚会議」を開いた。(表紙に写真)
 初開催となったプレナリーセッションには37ヵ国の閣僚・国際機関が参集し、エネルギーの移行やそのためのファイナンスの必要性を共有。また西村康稔経産相らが南アフリカ、マレーシア、UAE、ドイツ、ラオスの閣僚級と会談。うち南アとは、水素・アンモニアに関する協力覚書を締結した。
 アジアグリーン成長閣僚会合には17ヵ国等が参加。アジアにおけるトランジション・ファイナンスの重要性について発信し、その確立を引き続き目指すとともに今後はアジア各国からの要請に応じて制度設計支援にも力を入れることを確認した。またCOP28議長国のUAEとの間で中東地域をクリーンエネルギー・脱炭素化のハブとする「グローバル・グリーン・エネルギー・ハブ構想」の具体的な取り組みに関する宣言をまとめた。
 27日には、「アジアCCUSネットワークフォーラム」「カーボンリサイクル産学官国際会議」を開催。フォーラムではアジア全域におけるCCUSネットワークの実現に向けたルール整備や事業形成について意見交換した。また同会合において、経産省及びエネルギー・金属鉱物資源機構とマレーシア国営石油会社ペトロナスが「CO2の越境輸送に関する覚書」を締結した。
 28〜29日には、経産省と環境省の共催で「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)でのJCM(二国間クレジット)利活用促進に関する国際会合」を初開催。AZEC(日本を含む11ヵ国で構成、うち6ヵ国がJCMパートナー国)におけるJCM事業化の促進や炭素市場の構築に向けて情報・意見交換を行った。






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