週刊「エネルギーと環境」 毎週木曜日発行

今週の注目記事


No.2836.08.28




第1レポート次の記事

…DC集積型とコンビナート等再生型の選定要件決定、GX産業団地は議論途上

「GX戦略地域」政府公募、コンビナート再生財政支援



 政府は脱炭素型の産業構造に転換する地域を支援する「GX戦略地域」の選定施策を進めている。GX戦略地域づくりはGX2040ビジョンに掲げた目玉施策の一つで、脱炭素電源の有効活用をテコに国内外企業の投資を呼び込みGXとDX事業化を進める。グローバルな競争力を確保して、地方活性化にとどまらず日本経済の牽引役も担う。
 政府は公募を検討する自治体や企業からの提案募集を8月26日に開始、早期に公募を開始する予定だ。またGX戦略地域に関連する支援策を26年度概算要求に盛り込む方針を固めた。

コンビナート跡地にGXスタートアップ集積
 GX戦略地域では、「データセンター(DC)集積型」と「コンビナート等再生型」の選定要件を具体化。内閣官房が8月26日に開いたGX実行会議の会合において、公募に向けた選定要件が決定された。DC集積型はDCを再生可能エネルギーや原子力発電などの脱炭素電源に近接した地域に集積させ、脱炭素と産業進出を両立させる。電力需要の大きなDCなどを脱炭素電源の近くに配置することで、送配電網への負担軽減やエネルギー利用の効率化を進める。具体例では、ブラジルのリオデジャネイロ市西部ジャカレパグア地区において世界最大級とされる300万kW級DC整備構想「リオAIシティ」の建設が進められている。
 コンビナート等再生型はコンビナート跡地などの広大な固定資産を活用し、スタートアップ等の成長企業を集積させて新規産業を創出する。既存インフラを活用しながら新規産業創出の拠点とすることで、成長産業の振興とサプライチェーンの安定化・高度化を目指す。具体例としては山口県宇部市の山陽小野田コンビナートがあり、24年の石油精製工場の停止、28年生産終了予定のグレーアンモニア(化石燃料を原料として製造されるアンモニア)プラント閉鎖を踏まえて再生を図る。既存の石油・化学産業のインフラや遊休地などを有効活用し、新たにクリーンなアンモニア供給拠点など、GX分野のスタートアップ企業の集積を目指す方針だ。


(以下については本誌2836をご参照ください)



第2レポート 次の記事 前の記事

…前回交渉に続き合意成らず、生産規制等巡りEU・島しょ国と産油国などが鋭く対立

プラスチック条約国連会議、再度決裂で交渉基盤揺らぐ


 8月5日からスイス・ジュネーブで「プラスチック汚染を終わらせる」ための法的拘束力のある国際条約制定交渉を進めてきた国連環境計画(UNEP)の第5回政府間交渉委員会再開会合(INC5.2)は15日、プラの生産規制を巡って決裂し、前回会合に続き条約案の合意に至らず再々度の休会となった。議長を務めたルイス・バジャス議長(駐英エクアドル大使)は、交渉を再開することを表明したが、「全会一致の合意」の絶対原則の下では合意は困難との声が参加国から上がるなど、条約交渉の基盤自体が揺らぐ事態となっている。

生産規制・資金等で意見集約できず持ち越し
 今回会合には、184ヵ国の国連加盟国、関係国際機関、NGO等約3700人が参加。我が国からは中田宏環境副大臣を筆頭に外務省、経済産業省、農林水産省による政府代表団が出席した。
 今回の再開会合では、昨年末の韓国釜山での前回会合(INC5.1)で作成された議長テキスト(下表)をベーに、@上流規制、A下流規制、B資金等支援、C目的規定・実施措置等の4作業部会に分かれ、条約全体の案文について、交渉が行われた。政府間会合では、条約の目的、製品設計、放出・流出、廃棄物管理、既存のプラ汚染、公正な移行、履行・遵守、国別行動計画等については、具体的な文言交渉を通じて条文案の最終化に向けた議論が進展した。その一方で、生産、プラ製品、資金、締約国会議等については、各国間の意見のへだたりが大きく、意見の収斂に至らなかった。



(以下については本誌2836をご参照ください)


ジャンル別週間情報
前の記事

アフリカ会議でエネ転換・資源開発、廃棄物基金設立

環境省、アフリカ開発銀行と環境協力覚書を締結

北海道電、環境債使途対象に原発と送配電追加

大阪ガス、蓄電池運用30年度に100万kW目指す

関電と川重、水素混焼発電の環境価値管理で実証




戻る
【TOP】 【今月のキーワード】 【エネ環ダイジェスト】
【書籍紹介】 【最新号見出速報】 【今週の注目記事】 【記事データベース】
【こぼれ話】 【省エネ・新エネ】 【出版物案内】 【本誌紹介】 【会社概要】 【リンク集】
ML> m">【リンク集】 ML> ML>