週刊「エネルギーと環境」 毎週木曜日発行

今週の注目記事


No.2704.12.15




第1レポート次の記事

…インドネシア・マレーシアが世界の8割供給、日本はバイオマス原料や加工食品で多く依存…


パーム油利用供給網に批判高まる、国際認証取得不可欠


 国連生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)が条約事務局のあるカナダ・モントリオールで12月5〜17日に開かれている。我われが日常的に使っているパーム油が原因となって、インドネシアのカリマンタン島の生物多様性が失われている深刻な現実がある一方で、30by30の目標設定に合意できるかなどが焦点だ。

パーム油利用で指摘、持続可能性への課題
 ISTA(International Seed Testing Association)Mielke社「Oil World」2020/21年報によれば、この1年間で日本ではアブラヤシの果肉から得られるパーム油と種子から得られるパーム核油合わせて81万9,000トンが消費され、その約8割がインスタント麺やスナック菓子をはじめとした食品向け、残りの約2割が石鹸や洗剤などの非食品向け、さらに近年(バイオマス)発電向けに使われ始めている。世界のパーム油の8割以上はインドネシアとマレーシアで生産されている。
 パーム油利用には持続可能性に関わるいくつかの課題が指摘されてきた。アブラヤシ農園の開発は必然的に熱帯雨林の伐採を伴い、農園や工場には児童労働を含む労働・人権問題があるといわれる。企業がこれらの問題を確認せずにパーム油を利用することは、SDGsの達成に逆行する恐れもある。そのため関連企業には、インドネシアやマレーシアにある農園、搾油・精製・加工工場、そして製品につながるサプライチェーンの全体をみて、生産現場での課題を把握し、改善する努力が求められている。
 一方で、パーム油サプライチェーンの把握は困難を極める。最終製品から原料までサプライチェーンをさかのぼっていくと、マーガリンやクッキーなど製品の加工工場、パーム油の精製工場、パームの実から油を搾る搾油工場まではなんとかたどり着ける。が、搾油工場からさらに先の農園は、多数の小規模農家を含む場合が多く、追跡するのは至難の業だ。パーム農園を含むサプライチェーン上の生産現場で実際に起こっている事実と、責任をもってパーム油を使う必要性に迫られる企業が知り得る事柄の間には大きなギャップが存在する。


(以下については本誌2704をご参照ください)



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…パリ協定6条の下で炭素市場構築目指す、民間資金活用策も。GX実行計画に明記へ…

JCM拡大へ国際連携組織設立、CCS等事業も対象に


 GX(グリーントランスフォーメーション)実行計画の策定に向けて11月29日に開かれたGX実行会議で、「二国間クレジット(JCM)の推進」がアジア・ゼロエミッション共同体構想など国際展開戦略の柱の一つに位置付けられた。環境省は「パリ協定6条実施パートナーシップ」を11月に設立、途上国の能力向上を通してJCM事業の大幅拡充を目指す。経産省はCCSなど事業の多様化や大規模化の検討に着手した。 ■事業拡充の条件揃う、23年度は200億超要求  JCM事業をめぐっては、11月に開かれた気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)で、昨年合意された「パリ協定6条実施指針」を実際に運用していくための「排出削減・吸収源クレジットの報告様式」「記録システムの仕様」「審査手続き」などが決定された。これを踏まえ、環境省、経産省等はパリ協定6条に沿ったJCMクレジットの承認、登録に向けた体制整備を急ぐ(下記)。
 また両省は2023年度予算等を拡充し、JCMの案件発掘や規模拡大などに一層の強化を図る。
 ◇JCM事業…○優れた低炭素技術・製品・システム・サービス・インフラ普及によって途上国の持続可能な開発に貢献するとともに、CO2等排出削減・吸収への貢献を定量的に評価し日本の排出削減目標達成に活用 ○地球温暖化対策計画改定で「官民連携で2030年までの累積で1 億t-CO2の国際的な排出削減・吸収量を目指す」との目標を設定。民間資金活用によるビジネス主導の国際展開、プロジェクトの多様化・大規模化等の課題を明記 ○COP26でのパリ協定6条実施指針決定を受けて外務・環境・経産・国交・農水5省が「JCM推進・活用会議」を設置。同指針に沿ってJCMクレジット承認・登録の仕組みを構築 ○現在までの設備導入事業件数は215件
 ○25年目途にパートナー国を30ヵ国程度に拡大する目標設定を踏まえ、今年8月にセネガルと「JCM構築に関する協力覚書」を締結。以降チュニジア、アゼルバイジャン、モルドバ、ジョージア、スリランカ、ウズベキスタン、パプアニューギニアとも締結し17→25ヵ国に拡大 ○22年度予算+補正予算(23年度要求額)/億円=環境省:145+29(187) 経産省:JCMクレジット取得等インフラ整備調査事業8(9)、民間主導のJCM等案件形成11(16)




(以下については本誌2704をご参照ください)


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